<ソフトバンク5-3西武>◇18日◇福岡ヤフードーム

 今季最長の7連敗、西武ライオンズとなった79年以来32年ぶりの借金13。西武にとって、屈辱的な数字ばかりが並んだ。「満塁のチャンスで1本が出ない。(QVC)マリンからかな、1本出れば流れが変わるんだろうけど」。渡辺久信監督(45)は努めてなのか、冷静に敗戦を振り返った。

 満塁で点が取れない。6回2死、7回無死と2度あったフルベースのチャンスで、7回栗山巧外野手(27)の二ゴロ併殺で挙げた1得点のみ。4度の満塁機にも13残塁の拙攻で敗れた13日のロッテ戦に象徴される、チームとしての勝負弱さに改善の兆しが見えない。5回2死一、三塁では、原がタイムリーエラー。これも、中島の失策で負けた前日17日の日本ハム戦の再現みたいなもの。同じことの繰り返しの結果が、最下位という現実だ。

 猛抗議も実らない。4回2死一塁から坂元が宣告されたボーク、8回の中島の二ゴロと渡辺監督は2度、飯塚一塁塁審につめ寄った。坂元の一塁けん制は右足をプレートから外しており、中島の打球も捕球時に一塁手の足がベースから離れていたと主張。退場すら辞さないようにも映る、鬼気迫る表情で訴えた。「ナカジのゴロにしたって、アンパイアの見る角度が悪い。(審判が)下手くそすぎる」。試合後も、この件にだけは言葉を荒らげた。

 6回2死満塁3ボールから凡退した浅村は「チャンスはつくれている。僕は後ろにつないでいくだけ」と言った。当たり前のことだが、それに尽きる。各自が役割を果たすことでしか、トンネルは抜けられない。【亀山泰宏】