<ソフトバンク2-0楽天>◇28日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が「弟分」岩崎の記念勝利を強力アシストした。試合後に両手をクロスさせてつくった「×」印に、岩崎の完封劇を喜ぶ思いが表れていた。「×」の意味は、お立ち台辞退。「完封はなかなかできないもの。完投やったら、俺もお立ち台行ったけど、完封だったら岩崎1人で、と思っていた」。10年1月のアリゾナ自主トレをともにした後輩を引き立てたが、バットでも全力サポートした。

 初回にタイミングを崩されながら左犠飛。3回には狙い球ではなかった緩い変化球が甘く入ってきたため、打ちに出ての左前タイムリー。プロ18年目のベテランの技術を存分にみせ、チーム全得点となる2打点だ。

 9連戦で締めくくりとなった前半戦ラストは「食事の途中に立ったり座ったりするのもしんどかった」とこぼしていた。球宴出場したため、わずか1日のオフ日となった25日には、風水で方角がいいとされた嬉野温泉でリフレッシュ。勝負どころで集中力を高めるべく、体調管理にも抜かりはなかった。

 ゲーム終盤の大仕事はベンチでの声出し。「(交代した後の)9回は声張り上げとったわ」。チームの勝利を最優先する主将のポリシーがある。この日の球場入りで「最後は声を出す選手が生き残る。聖一(現在代打要員の内川)は、よう声出しとるわ。若手も見習わんとな」と話していた。バットで、声で、お立ち台で、岩崎の初完封をバックアップした。【松井周治】