<ヤクルト10-10横浜>◇17日◇神宮

 負けに等しい引き分けに、横浜尾花高夫監督(54)監督の怒りも収まらなかった。天国から地獄。背信投球の先発須田を「10点とって5回投げられないのは話にならない。メンタルなんだよ。今日勝てなかったら、この後も勝てない」と切り捨てた。

 首位相手に圧勝できるはずだった。初回、七条から8連続を含む9安打で一挙8点。今季1イニング最多得点を挙げ、ここまで負けなしのルーキーをマウンドから引きずり下ろす。あとは須田が頑張るだけだった。にもかかわらず4、5回で3四球を出し7失点。最大9点あったリードがあっという間になくなった。勝てる試合をぶち壊した右腕は「すみません」と繰り返し、うつむいたままグラウンドを後にした。

 4失点した4回で交代させる選択肢もあったが、指揮官は「後ろを投げるやつが大変。(中継ぎに)負担がかかるばっかりだろ」。この日、セットアッパー牛田を不調で登録抹消。登板過多のリリーフ陣を休ませたいという思いと、須田の立ち直りへの期待が結果的に裏目となり、終始、語気は荒かった。

 ベンチから引き揚げる背には「やめろ!」「恥ずかしくないのか!」とファンからのやじが降り注いだ。借金こそ増えなかったのがせめてもの救いだが、4時間6分戦っての引き分けは、あまりに痛かった。【佐竹実】