<ソフトバンク2-7楽天>◇21日◇福岡ヤフードーム
クリクリ眼を見開いた。1-1の4回1死二、三塁。楽天伊志嶺忠捕手(26)はソフトバンク摂津のシンカーに食らい付いた。「行方は見てなかったです」。フワリと上がった打球が左翼線上ジャストに落ちた。決勝の2点二塁打。今季初どころか、2年ぶりにソフトバンク3連戦を勝ち越した。
星野仙一監督(64)の頬は、緩みっぱなしだった。4回の4連打は3連続長打が光った。全員で「摂津は制球がいい。ストライクを打っていこう」と、ベンチの指示を忠実に遂行した。7回には二塁打2本を重ね2点追加。長打に連打。一気呵成(かせい)に攻め立てた。
今季80通り目の猫の目打線は、固定戦力が少ない裏返しでもある。メンバー表交換直前。リーグワーストのチーム打率に甘んじる自軍オーダーを見やり、星野監督がつぶやいた。「ん…。今日も相変わらずだな。秋山は、ええなあ。うちは、みんなで頑張っていくしかない」。その願いを、今季6試合目のスタメンマスク伊志嶺が受け止めた。
プロ4年目。6月から1軍に居続け「監督にチャンスをもらっている。絶対に最後まで上にいます」と誓う。生粋の沖縄人。ほんわか明るい性格で、先輩たちのいじられキャラが定着しているが、夜遅くまでリードを見返す研究熱心でもある。この日は正捕手の嶋に代わって出場し、先発塩見を引っ張った。
今季100試合目で出た層の厚みと畳み掛ける攻撃。星野監督は「2年ぶりに勝ち越したんだから今日ぐらい次のこと言うなよ」と冗談めかしたが、クライマックス・シリーズに出場できる3位は圏内だ。残り44試合。諦めない。【古川真弥】



