<楽天3-9西武>◇1日◇Kスタ宮城

 西武涌井秀章投手(25)が投げていた間、援護は7点。しかし、遠ざかっていた分だけ6勝目は難産だった。自身5連敗中の楽天相手に7回1失点も被安打10、122球を要した。「いっぱいヒットは打たれましたけど、先頭を切れたのでリズムをつくれたと思います」。毎回安打を浴びたが、先頭打者の出塁はゼロ。カーブで緩急を利かせ、ビッグイニングの芽を事前に摘んでいた。

 7月9日を最後に勝てなかった右腕の不調は、球界のちょっとした関心事だった。同い年の日本ハム・ダルビッシュは、09年のWBCで投手コーチを務めた山田久志氏が球場を訪れ「調子良さそうだな」と声をかけると「自分よりも涌井が心配です」と返答。28日の試合前には、涌井がその前日に5勝目を挙げた日本ハム斎藤らと談笑。居合わせた先輩選手に「お前、何勝?

 (5勝なら斎藤と)同じじゃん」といじられた。

 通常2日前のブルペン入りを登板3日前に前倒しするなど調整法も模索。泣くほど練習した高校時代を思い出すかのように炎天下の西武第2球場を走ったり、アメリカンノックでひたすらボールを追いかけた日もあった。試合前日、復帰初戦でいきなりバッテリーを組んだ銀仁朗とともに新幹線で仙台入り。車中では配球について話し合っただけでなく「『今年は調子が悪い』とか『揚げ句の果てに後厄だ』とか言ってましたよ」(銀仁朗)。まだ本調子ではない。それでも勝ちがついた。「(今季の登板)あと6試合ですかね、全部勝てるようにしたい」。この1勝への遠回りは、決して無駄にしない。【亀山泰宏】