元日本ハムの新庄剛志氏(39)が、プロ野球の監督就任に意欲を見せた。2年ぶりのテレビ出演のため、生活の拠点を置くインドネシア・バリ島から帰国した新庄氏は「ぼくを監督にする勇気のあるオーナーさんがいたら面白い」と、オファーを歓迎する構えを見せた。今のところ依頼はないが、阪神、メジャー、日本ハムと渡り歩いたスターは、独自の監督論を展開し期待を抱かせた。

 好奇心旺盛で、常にファンを喜ばせてくれた新庄氏は、今も変わっていなかった。東京・赤坂のTBSスタジオで、番組収録後にプロ野球の監督という仕事への興味を聞かれると「僕にオファーを出す勇気のあるオーナーさんがいてくれたら面白い」と、白い歯を光らせた。今回のテレビ出演を「面白いと思ったから受けた」という新庄氏は「面白いと思うものがあればどこへでも行く」と目も輝かせた。

 監督論には独自のものがある。まずは選手全員に自分のメールアドレスを教える。そこで熱く「今日、出たいです」と、出場直訴のメールを送って来た選手を積極的に起用する。さらに「10日間試合をして、打率のいい順番に1番から使います」など、画期的なアイデアを展開した。

 「選手に練習をしろとは言わない。そうすると、みんな隠れてやるんですよ。監督が来たら練習をやめるぐらいの選手じゃないとダメ」と、アピールのための練習は禁止。その代わりコソコソ練習で、実力を磨くことを奨励するなど、持論を次々と披露した。

 指揮を執ってみたいチームについては「12球団どこでも面白い。でも、弱い球団のが面白いよね。今、最下位はどこ?

 横浜と西武?

 西武は強いじゃん」と言いながら、弱小球団を変身させるという、映画の中のような仕事に、意欲をかき立てた。

 CM撮影で訪れたのをきっかけに、1年半ほど前からインドネシア・バリ島の豪邸で、ハンモック付きのプール、8台のオートバイなどに囲まれて暮らしている。そこに野球関係のものは何も置いていない。仮に勇気あるオーナーからのオファーが届いても「1年契約がいい」と言う。「僕の人生ですからね。ここまでスケジュール通りにやってきましたし」と、最後まで新庄節だった。