<ロッテ3-6楽天>◇2日◇QVCマリン

 これぞ助っ人の仕事だ。敵地でロッテ戦に臨んだ楽天は4回、ルイス・アルフォンソ・ガルシア内野手(32)の5号3ランで逆転勝ち。チームに4カード連続となる初戦白星を運んだ。9回にも左翼線二塁打を放ち追加点につなげ、星野仙一監督(64)も「今日はいいところで打ったな」とご満悦だった。今日3日はマー君が先発。Aクラス入りへしのぎ合いを制す。

 幕張上空にQVCマリンの視線が集中した。4回2死一、二塁でガルシアが放った打球は、左翼方向へとんでもなく高く打ち上がっていた。しかし台風12号の影響で、左翼→右翼へ平均9メートルの強風が吹いていた。押し戻されてレフトフライ…と誰もが思った。

 打った本人だけは自信があった。ロッテ先発上野の初球。肩口から入ってくる抜け気味のツーシーム。両腕をたたんだまま、軸をぶらさないまま呼び込んで、美しく打った。「風で押し戻される?

 オレはそう思わなかった。照明の具合でそう見えただけじゃないかな」と感触で分かっていた。三塁塁審が少しの間をおいて、ゆっくりと右手を回した。左翼中段に真上から落とす決勝5号3ラン。ヒーローは「チームの勝ちに貢献できてうれしいよ」と謙虚だった。

 普段から謙虚な男が輪を掛けて謙虚だった。前カードは秋田→盛岡→仙台という、キツい変則遠征。初戦の試合前に体調不良を訴え、同行できなかった。秋田に入りおいしい刺し身を食べ過ぎ、おなかを痛くしてしまった。「ダイジョウブ」と覚えたての日本語でアピールしたが申し訳ない気持ちでいっぱい。ミスを取り戻そうと必死だった。星野監督は「今日はいいところで打ったな。2本ともな」と、9回の二塁打を含め素直に評価した。

 ここまで申し分ない働きとは言えないが、本当の勝負はここから。挽回の機会は十二分にある。挽回の先に、ガルシアの壮大な夢がかなうかも知れない。メキシカンは仙台に来て、仙台市とメキシコ・アカプルコ市が姉妹都市であることを知った。本人はアカプルコ出身ではないが、世界屈指のリゾート地はオラが国の自慢。思わぬ縁に喜んだ。「僕も仙台に長いこと住んだら名誉市民になれるかな?」。お気に入りの杜(もり)の都に定住できるか。己のバットにかかっている。【宮下敬至】