<ロッテ3-6楽天>◇4日◇QVCマリン

 右翼上空へ、楽天嶋基宏捕手(26)が描いた軌道が勝利を確信させた。4-3で迎えた8回1死二、三塁。「スクイズも頭に入れ、最低でも犠飛を」とロッテ小野から犠飛を放った。終盤にリードを2点に広げる大仕事。デーゲームで4位オリックスが勝ち、勝たなければ3位を明け渡すところだった。3タテを食らわせたこの3日間で、実に6本目の犠飛。星野監督も「大きかった。ああいう形で点を取れるようになってきた。選手たちは成長している」と褒めるのを惜しまなかった。

 狙いどおりの攻撃が、ずばずば決まる。昨秋の就任から口酸っぱく言ってきたことが、実を結び始めた。理由は、案外と当たり前、でも地道な積み重ねにある。失敗すれば練習させるのみ。この日は、コーチ3人がかりで伊志嶺に帰塁の動きを繰り返させた。2日の今カード初戦で、けん制死したからだ。キャンプ第1クールのような風景に、監督は「鉄は熱いうちに、ではないが失敗した直後に反省して課題をクリアにすることが大事。うちみたいな若いチームは特にね。恥ずかしがってる場合じゃないぞ」と説いた。チームは脱皮しようとしている。

 今年4月12日の開幕戦。同じ地で、同じ敵を相手に、嶋のド派手な決勝3ランで今季は始まった。あれから約5カ月。今度は、ドジョウのように泥くさく、とどめを刺した嶋は言う。「勝ちたいという毎日の積み重ねが出ている」。ロッテとの今季勝ち越しを決め、ゲーム差を5・5まで広げた。Aクラス争いのライバルの1つに引導を渡し、明日6日からは仙台にオリックスを迎え撃つ。「このまま続けていきたい」。そう話した指揮官こそ、確かな手応えを感じている。【古川真弥】