<ヤクルト2-2横浜>◇17日◇神宮
9連勝中の首位ヤクルトが珍プレーで小休止した。2-2で迎えた7回1死一、三塁。2番田中浩康内野手(29)が勝ち越しを狙ってバントしたが、三塁走者の代走三輪はスタートを切れなかった。2死二、三塁となって、3番川端は左飛に倒れて勝ち越しはならず。そのまま9回引き分けとなった。投手陣が抑えて負けないヤクルトの地力を見せたが、最下位の横浜相手に惜しい足踏みとなった。
最後のチャンスは不思議な形でするりと消えた。勝負の針が両チームの間をふらふらとさまよう中、ヤクルトが迎えたのは7回1死一、三塁の勝ち越し機だった。打席の田中はバントの構えで初球を見逃し。続く2球目を一塁前に転がしたが、三塁走者の三輪はスタートを切れずに三塁にとどまった。結果、一塁走者の青木が二塁へ進んだだけの「送りバント」となり、2死二、三塁となって川端は左飛に倒れて攻撃終了。その後も勝ち越せず、今季15度目の引き分けという結果に終わった。
小川監督は「徹底できなかった自分が悪い。僕のミスです」と責任を自らに背負い込んだ。だがサインミスなどではなく、ゴロなら本塁へ突っ込む「ゴロゴー」の指示が出ていたと思われる。スクイズのような形で一塁手のやや正面に打球が転がって三輪の足が止まった。明らかにアウトになる打球ではなかっただけに、三輪は「僕が行かないといけなかった」とスタートを切れなかったことを猛省。田中は「僕はうまくいくと思ってやりました。正面にいきすぎたかもしれない」と声を落とした。
他にもあったチャンスで押し切れなかった。4回無死一塁では宮本の当たりが投手の正面を突いて併殺となる不運。6回無死満塁も宮本、バレンティンが倒れて勝ち越せなかった。ただその半面、何度もあったピンチも懸命にしのいだ。7回1死満塁では押本が代打ハーパーを一ゴロ併殺に仕留めて勝ち越しを許さなかった。小川監督は「9連戦の初戦でこれだけ投手を使うのはよくないんだけど、そんなことは言ってられないから」と、6投手をつぎ込み、10年ぶりの優勝に向かう執念を見せつけた。
田中は「ああいうこともあるんで、次につながればいい」と教訓ととらえた。そして小川監督は「僕のミスがいくつもあったのに、投手が2点で抑えてくれた。よくやってくれた」と選手への感謝を口にした。勝てた試合ではあったが、負けもしなかった。反省材料も加えて、負けないヤクルトがまた優勝への歩みを進めた。【大塚仁】



