<西武6-4ロッテ>◇23日◇西武ドーム
日替わりヒーローが出るチームは強い。西武が4試合連続となる逆転勝ちで今季初の7連勝を飾った。今季4戦4敗だったロッテ唐川相手に序盤4点のビハインドから追いつき、8回に銀仁朗捕手(24)が決勝の適時三塁打を放った。連勝中、何度も“脇役”が試合を決める好循環で9月は15勝3敗1分けと絶好調。3位オリックスも勝ったため3ゲーム差は変わらなかったが、クライマックスシリーズ(CS)出場へ向け、獅子の猛追が緩む気配はない。
意気に感じた銀仁朗が迷いなく初球をたたいた。同点の8回2死二塁という絶好機で打率2割2分台の8番打者。それでも渡辺監督は「最後にやるんじゃないかと思った。勘と言ったら勘。全然根拠はないけど、打ちそうな気がした」と動かない。指揮官の信頼に「正直、代打と思ってました」という24歳も「絶対に打ったろう」と、腹を決めて応えた。
中堅手の頭上をはるかに越える一打。“意外”なパワフルさを秘める打撃を支えるのはメダリスト級の下半身だ。昨年3月左膝に大ケガを負い、手術を行った。シーズン中の復帰は絶望視されたが、最終戦に間に合わせた。驚異的な回復力は、バンクーバー五輪フィギュアスケート銅メダリスト・高橋大輔の膝の手術も行った執刀医とリハビリ担当医を驚かせたという。「普通の人が5カ月かけて戻す筋力を3カ月半で戻したんです。あの人(高橋)も早かったみたいですけど、僕の回復も相当早かったらしいです」。その屈強な下半身を土台に繰り出した強烈な打球で試合を決めた。
チームは今季初の7連勝だが、この間中村ら主軸以外にも日替わりでヒーローが生まれている。16日の試合ではルーキー秋山がサヨナラ打を放ち、17日の楽天戦ではつなぎ役の2番原が2安打3犠打2打点で田中攻略に一役買った。20日の日本ハム戦は代打の代打阿部が決勝打。今季最高とも言えるチーム状態に渡辺監督の鼻息も荒い。「ウチは勝つしかない。残り二十数試合、全部勝つつもり」。昨年逃げ切りに失敗した最終盤で、今季は追う側の強みを見せる。【亀山泰宏】



