<楽天2-3ソフトバンク>◇23日◇Kスタ宮城

 もう、勝っていくしかない。楽天は首位ソフトバンクに敗れ、今季2度目の5連敗を喫した。0-3の7回1死二、三塁、松井稼頭央内野手(35)が2点二塁打を放ったが、1点が届かなかった。3位オリックス、4位西武がともに勝ち、CS(クライマックス・シリーズ)進出は厳しくなる一方だ。今日24日の先発は田中。勝って希望の扉を開け!

 土壇場での同点チャンスに、楽天好きの期待は高まった。1点を追う9回2死二塁。松井稼が打席に向かった。カウント2ボール1ストライク、馬原の146キロを振るも非情の二飛。最後の打者になってしまった。大方の選手が引き揚げた後、ようやくクラブハウスへ続く通路に現れた。「ふーっ」とため息をつき漏らした。「悔しいね」。そのひと言が全てだった。

 敗戦の責任をしょい込むような表情を見せたが、追撃の一打も放った。0-3の7回1死二、三塁。大隣の外寄り真っすぐを振り抜き、右中間二塁打で2点を挙げた。「チャンスだったから積極的に行こう」と初球を捉えた。それまで相手左腕にゼロ行進。負けられない意地が詰まった一振りだった。

 日米球界で幾多の経験を積んだ。今季から若いチームに加わった新たなDNA。勝てるチームに脱皮するために、選手に必要なことは何なのか。

 松井稼

 勝ちたいという気持ちかな。体力、技術もあるけど、それが先。そういう気持ちは、シーズン初めから常に持っておかないといけないもの。

 そう強調する。この日も奮闘むなしく5連敗。3位オリックスとのゲーム差は5まで広がった。4位西武とも2差。残り試合を考えると、状況は確かに厳しい。数字上、優勝の可能性も消えた。それでも、松井稼の心には「ネバーギブアップ」の炎が燃えている。「僕らは負けられない。勝っていくしかない。明日も試合がある」と力を込めた。

 このまま終わるわけにはいかない。終わるつもりもない。カズオの吐いた言葉は、楽天の誰もが抱く。スタンドでは、ファンに配られた応援ボード「底力」の2文字が揺れた。見せる。その意味を。【古川真弥】