<日本ハム2-0楽天>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハムが9連敗中の札幌ドームで44日ぶりの勝利を挙げた。梨田昌孝監督(58)が被安打2、無失点と好投していた武田勝投手(33)を7回途中で榊原にスパッと代える大胆采配。8回は増井、9回は守護神武田久とつなぐ必勝リレーで、最近10試合で1勝8敗1分けの悪い流れを断ち切った。3位オリックスとのゲーム差は2のままだが、2位死守へ大きな1勝をもぎとった。

 スタンドのファンは正直だ。7回、それまで好投を見せていた武田勝の突然の途中交代に「え~!?」と不満の声が飛んだ。一見、不可解に見える継投だったが、勝利に飢えているチーム状況を考え、梨田監督が下した決断だった。

 「迷うね。マサルは完投してもいい球数だったけど、牧田との相性を考えて代え時かなと思った」。7回2死一塁で打者は楽天牧田。前の打席で、中堅の頭を越えそうな大飛球を放っていただけに、安全策をとって信頼している救援陣へつないだ。

 75球で余力を残しての降板となった武田勝だったが「今はチームが1つ1つ勝たないといけない状況で僕から言うことは何もないし、勝利が優先。勝てて良かった」とさらり。球界きっての技巧派左腕が、珍しく伸びのある直球でどんどん打者の内角を攻めて7回途中を2安打無失点。8月中旬に体調を崩してから波に乗りきれず、重圧から逃げの投球が続いたという左のエースが「今日は楽しんで投げることができました」と吹っ切れた表情で話した。「CSへ気持ちを切り替えていかないと。僕らの目的が、また1つになりました。チームスローガンは“ONE_1”ですから」。背番号38の思いは、全員の思いだ。

 先発が試合を作り、盤石な継投で少ないリードを守る。これまで、そうやって貯金を作ってきた。「前半に得点して逃げ切る。ファイターズらしい野球だった。本来の持ち味が出ていた」と梨田監督。8月21日オリックス戦以来となる本拠地、札幌ドームでの白星に指揮官は「1つでも多く勝ちたいし、やれることはすべてやりたい」。残り12試合のうち、札幌ドームでは10試合が行われる。何としてでも2位を死守する。6勝18敗1分けと、どん底だった9月の二の舞いは演じない。【中島宙恵】