今村よ、浅尾になれ!!

 広島今村猛投手(20)が来季も「必勝セットアッパー」として起用される方針であることが30日、分かった。今季は54試合に登板して防御率4・69だったが、勝ち試合の終盤を任されたほか、守護神も経験。当初は先発要員だったこともあり、来季の起用法に注目が集まるが、大野投手チーフコーチは「来年も同じところでと考えている」と明言した。理想は中日浅尾ばりのスーパー・セットアッパーだ。

 無我夢中でペナントレースを駆け抜けても、それでもなお、今村は前を見据える。高卒2年目の今季は開幕1軍メンバーに名を連ねて、1度も2軍落ちせず、フル回転した。6試合に先発したほかは、救援登板を重ねた。54試合登板の経験は来季への財産になる。

 今村

 1年間、ギリギリのところでも何とかやり終えたのは大きかった。コンディショニングの大切さも分かりました。(来年は)先発でも、セットアッパーでも言われたところでしっかり投げたいと思います。

 現時点のチーム構想では来季もセットアッパーとして起用されることになりそうだ。守護神は今季35セーブを挙げたサファテが不動だが、救援陣は安定感を欠く。今季は不振に終わったベテラン横山、永川勝の復調ぶりも今後の配置の判断材料になるが、大野投手チーフコーチは「(今村は)来年も同じところでと考えている。そのポジションを、今村のほかに誰がこなすのかということもある」と話しており期待は大きい。

 今年は4月16日の巨人戦(マツダスタジアム)でのプロ初勝利など3勝を挙げた。サファテが鼠径(そけい)ヘルニアで離脱帰国したシーズン終盤は代役守護神を務め、10月8日ヤクルト戦(神宮)でプロ初セーブもマーク。ステップアップの1年になったが、防御率4・69など好不調の波が激しかったのは課題。倉も「球威を考えれば、先発より中継ぎのほうが合っているんじゃないか」と言う。

 今村

 1年間通して投げても、まだ余裕があるくらいのスタミナをつけたい。走り込みもしないといけない。今年は調子を落としたときに球威もなくなって、打たれるケースも多かったですから。防御率は最低でも2点台。1点台まで行ければいいですよね。

 11月3日から始まる日南秋季キャンプにも参加予定で、走り込みなど、下半身強化に明け暮れる。「(中日の)浅尾さんみたいに力で抑えられる投手になりたい」と話したこともある。目標は今季、2年連続で最優秀中継ぎ投手賞に輝いた中日のセットアッパーだ。故障しない体作り、そして飛躍するためにパワーアップ…。さらに剛腕へと進化するため、秋からゆるやかに助走する。【酒井俊作】