握って握って、勝利もつかめ!

 今日4日からスタートする広島の宮崎・日南秋季キャンプ(22日まで)で、ユニークトレが導入されることが3日、明らかになった。野村謙二郎監督(45)の発案で、投手陣全員にテニスの軟式ボールを使ったトレーニングを課す。大野投手コーチはスローイング矯正でバドミントンのラケットも導入予定。異種格闘技で?

 鯉投が実りの秋にする。

 グラウンドのあちこちで、ブルペンの投球練習の合間や、はたまた紅白戦のさなかに、投手陣がテニスの軟球を握り込んでいる姿が日南・天福球場で見られそうだ。投手陣全員に、テニスの軟球を配布。そして、アップの最中など練習中でも握れるときは常に携帯し、ニギニギする。発案者の野村監督はいう。

 「ゴムボールを握れば指先のトレーニングにもなる。少しでも多くの投手に出てきてほしいからね」

 常に握り込むことで、投手にとって大切な握力を強化することはもちろん、指先の感覚を磨くことが目的だ。大野投手チーフコーチは「宿舎に帰って風呂に入るときとか、テレビを見ながらとか、練習中じゃなくてもできる」と肌身離さずボールを持ち、握り込むことを推奨する。来季7年目の今井も「やれと言われれば、しっかりやりたい」と意欲を見せた。

 大野投手コーチはバドミントンだ。ラケットを振ることで腕の軌道を確認。普段は接しない他競技ながら、野球の技術力向上の一助にするつもりだ。左投手に横手から投げさせてみるなど“異種格闘技”から固定概念の排除まで、投手陣の底上げにつながることならなんでも試してみるつもりだ。

 今季はチーム防御率3・22と昨季(4・80)から大幅に改善された。だが、ピンチでカウントを悪くして打たれたり、甘い球を投げて痛打されるなど勝負どころで弱かった。秋季キャンプでは「自分の球を投げきる」ことをテーマに個々のレベルアップを目指すが、ユニークなトレーニングもその一環だ。

 実戦を通じてフィードバックする。紅白戦を1クールに2試合、計8試合予定している。休日を除くキャンプ16日間の半分が実戦という異例の多さだが、若い選手に実戦を通じて技術的、精神的課題を実感させ、克服する機会を増やす。大野コーチは「予習復習の繰り返しだよ」と笑う。

 若手投手にとっては、来春の1軍キャンプメンバー入りアピールの場でもある。ボールを握り込みながら、キャンプのキップをつかみ取れるか。厳しい戦いが始まる。【高垣誠】