阪神能見篤史投手(32)が2年連続開幕投手を務める覚悟を示した。和田監督が来季の開幕投手と示唆したことについて、27日に「まだ何も聞いていないけど、年齢的にも(主戦として)やらなあかん。もっとレベルアップしないと」と語った。

 質量とも豊富な阪神の先発陣。その中で能見は間違いなく、エースを張れる存在だ。今季、初の開幕投手を務め、広島前田健に投げ勝った。メッセンジャーと並ぶチームトップの12勝(9敗)で防御率2・52、186奪三振。何より、初めて200投球回に到達した事実が大黒柱としての存在感を物語る。

 その投げっぷりをベンチで見つめてきた新指揮官は、来年の開幕投手について「頭の中ではある。周りの人が普通に考える投手をね。それぐらい期待をかけてもいいと思う」と、12勝左腕を最有力としていることを明かしていた。

 能見は「開幕戦」だけにこだわろうとはしない。「先発はどこで投げても開幕投手だから」が持論。1年間通じて高いレベルで投げ抜くことこそが、ローテーション投手の務めと考えている。

 「4位というところが一番引っかかる。やっぱり優勝しないとね」。新井ら主力の誰しもが口をそろえるように、能見も気持ちは同じだった。

 昨オフはシーズン中に左足甲を疲労骨折した影響で、練習メニューが制限されたが、きっちり結果を残した。「去年とは違う。ケガを気にしなくていいから。走る量は増えていくと思う」と手ごたえを口にする。

 来季は小林宏も先発転向が濃厚。和田監督には開幕投手を数人に争わせる意向もあるが、ローテの軸に据えるべき投手は決めている。能見も期待に応える覚悟を持っている。【柏原誠】