山崎が10年ぶりに中日に帰ってくる。楽天を退団した山崎武司内野手(43)の中日入りが5日、決まった。球団が8日に名古屋市内の球団事務所で入団交渉を行うと発表。条件面ではほぼ合意しており、そのまま入団発表となる見込み。山崎は4番一塁奪取と長嶋茂雄氏(75)の通算444本塁打更新を目標に掲げた。
8日の契約交渉を発表した中日は井手編成担当が「レギュラーを争ってもらってもいい。人気に対する期待もあるしね」と話した。期待は代打の切り札ではなく、あくまでブランコのライバルとして定位置を奪うことだ。
山崎は、それ以上の意欲を示した。岐阜県内で行われた福留のチャリティーコンペに出場し、熱い思いを語った。
「自分の思いが強い中日のユニホームを着られるっていうのは、この上ない幸せ。一塁ブランコと勝負して内なる競争に勝つ。代打じゃなくてポジションを取る。いつもオレのポジションは外国人と戦わないといけない。(ブランコは)本塁打王を取っているし、日本を愛し、野球を愛している選手だから今回の壁は大きいよ。でも、戦っていかないといけない」
壮大な目標もある。あこがれの存在である長嶋氏の444本塁打を抜くことだ。目標まであと42本だが、その先にはあと219本に迫っている2000本安打達成もある。
「ミスターを超えたい。孫に自慢できるからね(笑い)。2000本打てれば、444本も打てる」
楽天での今季年俸は推定2億5000万円、中日では単年契約で年俸は1億円未満となる見込み。「結果を出せなかったらユニホームを脱がないといけない。お金なんて、どうでもいい。オレの最後の意地を見せたい」と意気込む執念の男が、3連覇を目指す新生高木竜に加わる。【鈴木忠平】<山崎と一問一答>
-中日と8日に入団交渉となったが
山崎
無職状態からユニホームを着れるっていうのはうれしいね。気持ちが折れてユニホームを脱ぐことになっていたら、仙台の皆さんに申し訳が立たないから。
-中日を離れていた10年間で変わったことは
山崎
中日に16年間いた時は自分勝手に野球やっていた。根本的なそういう考えを野村監督に覆された。本当のチームワークを学んできた。
-条件面に関しては
山崎
FA選手みたいにもらえるとは思っていない。楽天ではかなりもらっていたしね。とにかく、まだまだ、できるんだというのを楽天に見せたい。お金なんてどうでもいい話。
-セ・リーグでは守備も求められるが
山崎
前、中日にいた時よりは守備の不安がなくなった。守らずに見ていたことで逆によくなったと思う。練習は楽天でもやってきたし、キャンプでも打撃より守備練習から頑張るよ。
-チーム内の立場は
山崎
谷繁や、べんちゃん(和田)、井端が気持ちよくできるようにしないといけない。オレが入ってやりにくいなんてことになったらいかん。それに、若い選手なんかは顔を知らない選手も多いから覚えないといかんね。チーム内の派閥抗争なんて、もう、たくさんだよ(笑い)。