日本ハム田中賢介内野手(30)が、“イチ流”兵器を導入した。24日、札幌市内の室内練習場で自主トレを行った。「すごく体がやわらかい。動きがいい」と自画自賛でティー打撃やノックを軽快にこなしたが、順調な調整の裏には、秘密兵器の効果があった。

 マリナーズ・イチローが自宅や球場に設置しているという「初動負荷トレーニング専用マシン」がそれ。国内では鳥取のスポーツ施設「ワールドウイング」に置かれていることで知られている。初動負荷トレーニングは、ウエートトレとは異なり、体の自然な動きに合わせて負荷をかけるもの。筋肉を大きくするということには重点を置かず、合理的な動きで、競技に適した体を作り上げていく。また柔軟性が増す、可動域が広がるなどの効果も認められているという。

 もともと同トレーニング法に興味を持っていた田中は、シーズン中の今年8月に個人で専用マシンを注文。先月、手元に届いたばかりだという。600万円以上するという高級品だが「体が違います」と、早くも手応えを感じている。

 左足首を骨折して長期離脱した、今季のリベンジへ。「今年は悔しかったし、申し訳なかった」。メジャーのトップに君臨するイチロー流のトレーニングを実践するオフ。来春、レベルアップした体でキャンプインを迎える。【本間翼】