ヤクルト小川淳司監督(54)が12月31日、4年目を迎える赤川克紀(21)を開幕投手候補に指名した。先発ローテーション候補の中で、右手中指血行障害の手術を受けた館山は開幕後に復帰予定。今季右肩痛で離脱した由規は不透明な部分が大きい。小川監督は開幕投手について「石川か村中しかいないじゃない」と言った後で、一呼吸置き「赤川でいくか」と続けた。昨季6勝(3敗)を挙げて快進撃を支えた「ジャイアン」を候補の1人に加えた。

 指揮官の大きな期待の表れだ。184センチの左腕は昨季、8月から先発ローテーション入り。プロ初勝利を挙げると、CSファーストステージ巨人戦でも勝利した。「2年目のジンクス」に挑む今季は真価が問われる。小川監督は「どこまでやれるか分からないから」と、あえて奮起を促す意味を込めて指名した。

 赤川はこのオフ、オリオールズに移籍する和田と自主トレを行う。「すべてでレベルアップしたい。盗めるものとは盗まないと」と意欲的だ。昨季はスライダー、フォーク、ツーシームが軸だったが、投球の幅を広げるために「ジャイアンチェンジ」「スネオカーブ」の習得に乗り出している。初の大役が現実になる可能性は十分だ。【前田祐輔】