悪い子になります!

 ソフトバンクの左腕・川原弘之投手(20)が王貞治球団会長(71)から「悪ガキ指令」を受けていたことを明かした。22日、福岡・西戸崎合宿所で自主トレを行った3年目は「会長から年賀状を頂きました。ピッチャーは、嫌らしい性格の方がいいと書いてありました。打者の裏をかくような投球術を身につけたいですね」と脱皮を誓った。

 和田、杉内、ホールトンが退団し若手の台頭はチームにとって必要不可欠。王会長は、まだ1軍経験はないが、昨年のフレッシュオールスターで155キロをマークした左腕川原に大きな期待を寄せる。ハワイ優勝旅行中に王会長は「川原が出てくると思う」と名前を挙げるほどだった。

 まだあどけなさの残る20歳。普段は素直でまじめだ。だが、マウンドの上では「悪いヤツ」でいい。155キロの直球だけでなく、ウインターリーグのプエルトリコで習得したツーシームとカットボールで打者のタイミングを狂わせるつもりだ。

 「明日、秋山監督が(西戸崎へ)視察にくると聞いてます。意識しますね。ブルペンに入りますよ」

 プロならアピールするために、計算高い性格も必要だ。この日はキャッチボールで変化球も投げ、今日はブルペン入り。秋山監督を振り向かせる作戦だ。打者を欺く投球術を身につけ“悪い子”になって先発ローテ入りを目指す。【奈島宏樹】

 ◆川原弘之(かわはら・ひろゆき)1991年(平3)8月21日、福岡市生まれ。南片江小1年で野球を始め、同3年時に左投げへ転向。福岡ウイングス所属の片江中3年時に、福岡ヤフードームで行われたホークスカップに優勝。福岡大大濠から09年ドラフト2位で入団。昨季は2軍で8試合1勝1敗、防御率2・42。186センチ、95キロ。左投げ左打ち。