中日がテスト生のビクトル・ディアス外野手(30=元レンジャーズ)を獲得することが25日、分かった。メジャー通算24本塁打、昨季もメキシカンリーグで34発を放った実績を高評価。29日から沖縄・北谷で入団テストを実施するが、形式的なものになる見込みだ。この日、来日したディアスは、自身を「マニー・ラミレス(元レイズ)タイプ」と豪語。ブランコとの2枚看板で打線を活性化する。

 来日即、合格だ。高木竜が外野手のテスト生、ディアスを獲得する方針を固めた。この日、中部国際空港着の航空機で来日したドミニカンは、29、30日の両日、キャンプ前の沖縄北谷で入団テストを受ける。だがそれは体調チェックなど、形式的なものにとどまる見込み。よほどのアクシデントがない限り、竜の新助っ人に加わることになった。

 182センチ、95キロの体格を生かしたパワフル打撃が売りで、メジャー通算24本塁打。ここ4年はマイナー生活だったため、高木監督が見守る実技テストで合否を決める方針だった。だが昨年はメキシカンリーグ102試合で34本塁打、89打点をマークするなど魅力の打棒を再評価。昨季12球団の最低打率に終わった打線を活性化できる右の大砲として、受験前の合格内定に至った。期待は母国が同じブランコとの2枚看板での大暴れ。ディアスも合格発表前から豪語した。

 ディアス

 マニー・ラミレスのようなタイプと思ってくれればいいよ。チームが勝つためにホームランを打って打点を稼ぎたい。足も自信があるし、盗塁20個、二塁打40本を目指すよ。

 テスト生待遇とは思えない。よほど自信があるのだろう。自身をメジャー通算555本塁打、かつてのワールドシリーズMVPの大砲になぞらえた。メジャーでは1試合2本塁打を5度、満塁弾も2度マーク。通算355勝のマダックスや同213勝のスモルツも痛打し、岡島キラーとしても名を売ったと胸を張った。

 井手編成担当が「ホームランも多いが三振も多い選手」と話すように、昨季は試合数の約1・5倍、150の三振を喫した。極端に言えば三振か本塁打か。弱点は多いかもしれない。だが、日本野球の情報は親交のある元広島シーボルや元日本ハムのボッツらから入手済み。「変化球が多い」と気合十分で来日した。球団も1発長打の持ち味はそのままに、確実性アップの期待も込めての獲得だ。

 ディアス

 元々は二、三塁の内野手。打撃を生かすために外野に行ったんだ。守りも使えると思うよ。

 近年は右翼での出場が多いが、中堅や左翼の経験も豊富で外野はどこでもOK。さらに昨季は一塁でも出場するなど、6つのポジションを守ったオールラウンダーだ。起用の幅も広がる。

 近年の中日では08年のネルソン、昨年のソトらがテスト生からVの使者に成長した。ディアスが大当たりなら、3連覇へ一気に加速できる。ベールを脱ぐ沖縄が楽しみだ。【松井清員】

 ◆ビクトル・ディアス

 1981年12月10日生まれ、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身。18歳の時、ドジャースからドラフト指名を受ける。04年メッツでメジャー初昇格。同年から06年まで松井稼頭央(楽天)とプレーし、05年は自己最高の12本塁打&38打点をマーク。大リーグ通算は出場147試合で打率2割5分6厘、24本塁打、73打点。メジャーは07年レンジャーズが最後で、09年は韓国ハンファでもプレー。182センチ、95キロ。右投げ右打ち。