打倒佑ちゃん!

 11日の練習試合・日本ハム戦(名護)で斎藤佑樹投手(23)の登板が濃厚となり、広島ドラフト4位の土生翔平外野手(22=早大)が佑ちゃん撃ちを誓った。早大の先輩で、3年の秋にはともに日本一を味わったチームメートを打ち、開幕1軍の座を射止める。

 大先輩にかみつく覚悟はできた。土生はダウンスイングから生み出す、低く鋭い打球を飛ばし続けた。フリー打撃では75スイングで4本の柵越え。ツボにはまればオーバーフェンスできるポテンシャルの高さを見せた。2月11日“デビュー戦”で対戦する可能性がある、早大の先輩斎藤に照準を定めた。

 土生

 斎藤さんの生の投球を1年ぐらい見ていないので、どんな投球をするのか興味があります。チャンスを与えられたら、結果を残したい。

 3年間同じユニホームを着ていた、先輩の変化を肌で感じたい。土生が東京6大学で首位打者を獲得した3年秋、神宮大会では日本一をともに分かち合った。斎藤が卒業後は、主将の役目を引き継いだ。背中を追いかけた右腕に、尊敬の念を抱いている。

 土生

 謙虚な姿勢で、あれだけ騒がれた中で、自分をしっかり持って勝負している。受け答えとか、人間性もすごいと思います。

 選手として対戦経験もある。紅白戦で5回ほど打席に立った。「あまり、しっかり打てなかった」。記憶にあるのは、辛うじて放ったポテンヒット。プロにもまれた先輩を打てば、大きな自信を手にできる。野村監督も同門対決に興味を示した。「土生が出れば、早稲田対決になるね。いいね。面白いね」。起用について明言はしなかったが、対戦が実現する可能性は十分だ。

 3月30日開幕戦でぶつかる中日の佐藤スコアラーも、新人に開幕スタメンの可能性を感じていた。

 中日佐藤スコアラー

 打撃はシュアな感じで大きな癖がなく、変化球に対応できそう。守備はそつなくこなすし、肩も悪くない。打撃でレギュラーを脅かすところを見せれば、開幕に名を連ねる可能性はある。

 先輩撃ち、そして開幕へ-。沖縄で土生が牙をむく。【鎌田真一郎】