ソフトバンク大隣憲司投手(27)が6日、フリー打撃の打撃投手に特別な思いで登板した。金子圭輔内野手(26)と今宮健太内野手(20)が打席に入り、54球。「チェンジアップは低めに行ったし、カーブも、カウント球と空振りをとるものといい感じ」。6日は昨年他界した父繁さんの命日。起床すると宮崎市内の宿舎ホテルの自室から日向灘に向かって手を合わせた。「もう1年になるんですね」。

 昨年はキャンプイン直前にインフルエンザにかかり、第2クールからの合流。直後に訃報が届き、調整は大きく遅れた。「気持ち的にいろいろあって」とシーズンも3勝に終わった。年末にはドミニカ共和国のウインターリーグに出向き、オフなく調整してきた。心身とも1年前の同時期とは違う。「この時期に投げられているのがいい」。第3クールはシート打撃に登板予定。先発ローテ入りへステップを踏む左腕を天国で見守ってくれる人がいる。