左の大砲候補がいた。楽天・久米島キャンプ7日目(7日)、横川史学外野手(27)のバットが注目を集めた。昨秋から指導する大久保打撃コーチが「オフに相当、振ってきたね。外国人、いらないよ」と褒めちぎった。球団が調査を継続している左の大砲も不要とばかり、猛烈アピールに成功した。

 昨季は自己最多94試合に出場。1軍定着へ勝負の年だ。1月前半に鉄平らと千葉で合同自主トレを行ったが「振り込みが足りない」と、月末には1人でマシン打撃を繰り返した。その成果が出始めている。この日は通常メニューに加え、昼食時間に指名を受けランチ特打も行った。ティー打撃では公式球の倍以上300グラム超のボールを使用。片手で難なくさばき「昔からやってましたから」と涼しい顔だった。昨季と比べ明らかに振れているが「自分では、そんなに変わったとは思わない」と受け流した。

 だが、周囲の評価は急上昇。大久保コーチだけではなく、選手の動きをじっと見守ってきた星野監督も「横川は、だいぶ振れてきたな」と目を細めた。「外野は分からんぞ。鉄平も牧田も、簡単に試合に出られるとは限らん」と続けた。テレーロが加わり層は一気に厚くなった。「育成が一番の補強」が持論の監督にとって、うれしい限りだ。現状では聖沢、テレーロ、牧田、鉄平の4人がリード。これに続く。中島、中村とライバルは多いが「ちょっとでもチャンスをもらえれば」と、やる気をみなぎらせた。【古川真弥】