<オープン戦:中日3-1広島>◇2日◇ナゴヤドーム

 昌が帰ってきた!

 開幕予行演習もOK!

 史上最年長開幕投手を狙う中日山本昌投手(46)が開幕戦の相手広島戦に2番手で登板し2回を1安打無失点と上々の内容。手術も受けた右足首のけがからの復活を証明した。496日ぶりにナゴヤドームのマウンドを踏み、「そのつもりで」とあらためて開幕投手への意欲を語った。

 現役最年長、プロ29年目の山本昌もさすがに緊張した。右足首のけがと手術を乗り越え、496日ぶりの本拠地マウンド。温かい拍手で迎えられた。ただ、懐かしさを感じる余裕はなく、通算210勝の名球会左腕も不安に押しつぶされそうだった。

 「朝から緊張感があった。試合で体が持たないようじゃダメだから、今日壊れたらもういいやという気持ちもあった。でも、初球ストライクでホッとした」

 独特のフォームから投じた広島栗原への1球目、134キロ直球でストライクを取ると、ようやく我に返ることができた。2回打者8人に対し、1安打、1四球の無失点。松山と東出からは変化球で三振も奪った。最速は136キロ。オープン戦初登板としては上々の内容だった。

 投じたのは29球。1球ごとに完全復活への手応えを深めた。すでに高木監督からは開幕投手にと、期待を込めた“指名”を受けている。ずっと意欲を示してはいたが、登板後のコメントはこれまで以上に熱を帯びていた。

 「これでやっと競争の中に入れる。スタートラインに立てたことが大きい。ここからローテに入れるだけの成績を残す必要があるし、監督にも言われてますのでそのつもりで」

 “その”が示すのはもちろん開幕投手。本気度が増した。

 首脳陣も高評価した。指揮官は「いいボールを投げていた。あれなら行ける」。権藤投手コーチは「次は京セラ。先発で」と10日か11日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で次なるステップを踏ませるプランを口にした。

 10年ぶりに古巣復帰し、久々に一塁から見守った山崎に「フォーム変わりましたね」と言われ「いまさらか!」と返した。フォームも含め、まだまだ進化している自負もある。史上最年長開幕投手へ-。山本昌は復活ロードを突っ走る。【八反誠】