<オープン戦:阪神1-0広島>◇20日◇レクザム

 阪神戦ハ、任セナサ~イ!

 広島ブライアン・バリントン投手(31)が、虎キラー健在ぶりを発揮した。先発し、5回2安打無失点の好投。昨季5試合で防御率1・82と抑え込んだ相手を、今年もお得意様にする!

 開幕4カード目の阪神戦(マツダスタジアム)に登板する可能性も浮上。開幕まで10日を切り、虎狩り予行は万全だ。

 13074人の大歓声が、バリントンを高ぶらせた。打者17人のうち13人に対し、初球はストライクゾーンへ。簡単にストライクを稼ぎ、相手を自分のペースに引き込んだ。今季最長の5回を投げ、安打はわずか2本。得点圏に走者を進めたのも1度だけと、失点の気配すら漂わせなかった。万全な仕上がりを見せる右腕を、野村監督も「言うことない」とたたえた。

 バリントン

 タイガースの打線はすばらしい。セ・リーグでも有数の打線。(阪神戦は)ファンが多くて、それを感じながら投げるのも嫌いじゃない。むしろ、好き。相手だろうが、味方だろうが、ファンがいっぱいいる中で投げられるのはいい。

 強力打線と、オープン戦4度の登板で最多観衆というシチュエーションが好投を演出した。昨季は阪神に対し5試合に登板し、防御率は1・82。チームの対戦防御率が3・54の中で、突出した安定感を見せた。3勝2敗と勝ち星こそ恵まれなかったが、今季も虎キラーの看板に偽りはない。

 前日19日には、待望の再会があった。ローレン夫人と、3人の子どもたちが広島に到着した。登板前日の全体練習は、いち早く切り上げて一時帰宅。わずか数時間の家族とのふれあいで英気を養い、遠征地の高松へと移動してきた。家で待つ家族に早く会うため?

 この日も、急ピッチで試合を進めたのかもしれない。

 バリントン

 家に帰ったら家族がいるから、リラックスできるね。すぐに広島に帰るよ。

 開幕前に、あと1試合に登板し、3月31日の中日戦(ナゴヤドーム)での先発が濃厚だ。大野投手チーフコーチは「中4日も、中6日もいろんなケースがある」と今季もフル回転を明言。登板間隔を詰めれば、開幕4カード目となる4月10日からの阪神3連戦(マツダスタジアム)で先発する可能性もある。すでに本番モードの助っ人に、虎退治は任せよう。【鎌田真一郎】