<オープン戦:ソフトバンク2-0広島>◇24日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク岩崎翔投手(23)が開幕ローテへ、自信の投球を見せた。6回を投げ、3安打無失点。フォークがさえ8奪三振の快投だ。オープン戦3試合13イニングで防御率は0・00。摂津が腰の違和感でペースを落とす中、5年目右腕が存在感を発揮した。秋山監督も「粘り強くなった」と成長ぶりに目を細めた。

 マウンドに立つ岩崎の姿は堂々と自信がみなぎっていた。広島相手に6回を3安打無失点。オープン戦では13イニングを1失点(自責0)に抑え、首脳陣の期待に応えた。

 「今日は結果を出すことを一番に考えました。できすぎなところもあったけど、やってやろうという気持ちで投げました」

 1回は最速149キロをマークし3者三振のロケットスタート。4回まで無安打に抑え、5回2死二、三塁のピンチも名球会スラッガー前田智を落ち着いて中飛に打ち取った。この日はフォークが有効に決まり、8奪三振のうち半分はフォークで空振りを取った。「今日の岩崎は今季で一番の投球だった。直球が良かったのでフォークが生きましたね」と細川も証言した。

 レンジャーズに移籍したダルビッシュとの合同自主トレでエキスを吸収。進化を求めて臨んだキャンプでは疲れもありフォームに迷いが生まれた。「頭がゴチャゴチャで整理がつかない」と嘆いたこともあった。それでも直球にこだわる信念は崩さなかった。最後は「フォームより打者を抑えればいいんだ」と開き直った。「自分が自主トレからやってきたことが、自信につながりました」。この日の投球で自信はさらに深まった。

 「岩崎はランナーを出しても粘り強くなった。いい形でシーズンに入っていけるね」と秋山監督も文句なしの合格点だ。昨年まで「エース候補」だった右腕も今季は勝負をかけるシーズン。主軸が抜けて体制が大きく変わった中、昨季6勝からさらなる飛躍を狙う準備が整った。【前田泰子】

 ◆どうなる開幕投手

 最有力だった摂津が腰の張りを訴え、新垣が有力候補に浮上した。「ローテの関係で開幕投手は2人のうちどちらか」(斉藤学投手コーチ)と摂津と新垣の2人にしぼられた。摂津は今日25日に西戸崎合宿所で投球を行い、状態を確認。「摂津の投球を見てから。明日(25日)か、あさって(26日)には決めたい」と高山投手コーチは説明した。23日にブルペン投球を再開している摂津は「何も言えません」と明言を避けた。