<日本ハム4-3西武>◇31日◇札幌ドーム

 日本ハムが逆転サヨナラ勝ちで開幕2連勝を飾った。1点を追う9回、代打岩舘の中前適時打で同点に追いつくと、7回に今季チーム第1号本塁打を放っていた田中賢介内野手(30)が、右越えにサヨナラ打を放った。代打起用がズバリと当たった栗山英樹監督(50)は、日本ハムでは史上初めてとなる新人監督開幕2連勝。最高のスタートを切った。

 ヒーロー田中を中心に出来上がった歓喜の輪を、栗山監督は遠く、ベンチ前から見届けた。コーチ陣との握手を終えると、手持ちぶさたに拍手を繰り返した。「監督って(ベンチを飛び出して)行かないよね?

 本音言っていい?

 どうしたらいいかわかんないんだよ」。監督として初めて味わうサヨナラ勝利。新人監督らしく、右往左往しながら喜びをかみしめた。

 試合を決めたのは、キャプテンに指名した田中だった。同点に追いついて、なお9回1死一、三塁。西武守護神ゴンザレスの148キロ直球を一振すると、打球は右翼手の頭上を大きく越えて弾んだ。「決めるつもりでした。(調子が)上向きで開幕を迎えられてよかった」。7回にも今季チーム第1号となる追撃のソロ本塁打を放っていた。栗山監督は「すばらしいよね」と手放しで褒めた。

 自主トレ期間中の1月。栗山監督は、沖縄・宮古島で汗を流す田中に電話をかけた。「キャプテンをやってほしい。いろいろと無理を言うかもしれないけど」。田中は3年間務めてきた選手会長の職から外れたばかり。心苦しい部分はあったが、野球への取り組み、チームへの献身的な姿勢を考えれば、他にいなかった。「(采配的に)自分的には今日もいろいろミスがあったんだけど、賢介が救ってくれた」。2戦で4安打3打点と暴れる切り込み隊長をたたえた。

 田中はお立ち台で言った。「今日のような野球が栗山野球です。ドラマチックな野球」。最後まであきらめず、劇的な幕切れにつなげたのは、栗山監督の采配だ。サヨナラ劇の直前、前日30日に代打安打していた二岡、そして岩舘と代打攻勢。岩舘の2球目にはスクイズのサインも出した(ファウル)。2戦で3度の代打起用はすべて的中。「負けるときもすべてを出し尽くして負ける。(選手起用で)守備のこともいろいろあるけど、仮に(野手が)足りなくなってもいくときはいく。全員で戦うんだ」と、積極采配を振り返った。

 日本ハムの新人監督としては、史上初めての開幕連勝スタート。そして今日、3連勝を狙う。「まだ2つ。前後を断ち切って、その日その日に全力を尽くすだけ」。劇的勝利の余韻に浸るファンへ、さらなる感動を届ける。【本間翼】

 ▼日本ハムはサヨナラ勝ちで2連勝。日本ハムの開幕1、2戦白星は、ヒルマン監督で日本一となった06年以来になる。今年3人いる新人監督の中で栗山監督だけが○○スタート。新人監督が開幕1、2戦に連勝は06年古田監督(ヤクルト)以来だが、日本ハムを指揮した新人監督では初めてだ。この日は代打岩舘が同点打。この2試合、代打の成績は30日二岡右安、31日二岡左安、岩舘中安と、3度の代打策がすべて成功している。