オレに続け!

 中日高木守道監督(70)が2日、1年目高橋周平内野手(18=東海大甲府)の初打席初本塁打を大予言した。黄金ルーキーは今日3日からのDeNA3連戦(横浜)でプロ初打席を迎える可能性が高い。高卒1年目のプロ初打席初本塁打となれば、セ・リーグでは1960年に同監督が現役時代に記録して以来、52年ぶり2人目となる偉業だ。

 横浜への移動前にナゴヤドームに駆けつけた高木監督は、高橋周の打撃練習を食い入るように見つめた。次々と柵越えする打球に目尻は下がる一方だ。広島との開幕カードでは打席に立つことがなかったが、「もちろん(可能性は)ありますよ」(高木監督)と、今日3日からのDeNA3連戦では打席に立つことが濃厚。高橋周にとっては地元で迎える大注目のプロ初打席だ。

 新人の初打席と言えば、高木監督が有名。名門・県岐阜商から中日に入団した1年目にプロ初打席で初本塁打を放っている。実は高卒1年目に達成したのは、セ・リーグでは同監督ただ1人。もし、高橋周が達成すれば2人目の快挙になる。抽選の末に自身が引き当てた“金の卵”が記録上、いきなり自分の横に名を連ねる-。そんな物語を期待してか、高木監督も可能性アリと予想した。

 高木監督

 フリー打撃を見てても、あれだけ飛ばせるんだから(可能性は)あるよ。そんなデビューしたら大変だけどね。ただ、自分の場合は誰も期待してなかったけど、彼はみんな期待してるからね。

 プロ初本塁打を放つには最高の舞台だ。横浜出身の高橋周にとって同球場は思い出の場所。昨夏のアジアAAA選手権では、日本代表の主砲として高校最後となる通算71本目のアーチを放った。

 試合には家族も応援に駆けつける予定で、初打席で“凱旋(がいせん)弾”となれば、これ以上ないストーリーだ。

 高橋周

 調子は悪くない。今(2軍に)落ちたらダメなんだと思わずに思い切りやりたい。もちろん、打ちたいという気持ちは大きいですよ。

 本塁打だけを意識することはない。ただ、開幕カードで2勝1分けと最高のスタートを切った守道竜に、高橋周のアーチが飛び出せば…。「熱いぜ」の中畑DeNAを一気に冷ますこともできる。【桝井聡】

 ◆高卒新人選手の初打席本塁打

 過去5人おり、セ・リーグでは現中日監督の高木守道1人だけ。高木監督は名門・県岐阜商から中日入団1年目の1960年(昭35)大洋戦で達成している。ちなみに初打席ではないが、最近の中日の高卒新人本塁打は、1997年(平9)に森野将彦が放っている。