<広島1-1阪神>◇12日◇マツダスタジアム

 勢いある返球だった。阪神金本知憲外野手(44)が、右肩痛の不安を感じさせない本塁返球を見せた。2回2死二塁。堂林の左前打を定位置からチャージして捕球。ステップを踏んで、中継を挟まずに本塁へ返球した。本塁手前で弾み、やや一塁側にそれた。捕球した小宮山が横ばいになり、必死にグラブを伸ばしたが、二塁走者栗原がわずかに早くホームベースをタッチ。一塁側にそれた分だけタイミングが遅れ先制点を阻止できなかったものの、10年から悩まされた右肩痛の不安を払拭(ふっしょく)した。

 前日に続き、この日の午前中も広島市内のスポーツジム「アスリート」で右肩回りを中心にトレーニング。同ジム平岡代表は「去年よりはるかに状態はいい。しっかり振れているし投げられている」と状態の良さに目を見張る。

 打撃では神様の同点打を呼び込んだ。7回2死一塁で前田健の外角チェンジアップを引っ張り、ライナーで右前に落とした。チャンスを広げ、代走俊介と交代。ともにプロ21年目の桧山につないだ。完全復活ロードを進む44歳の鉄人が、首位を走るチームに、攻守で活力を与えた。【岡本亜貴子】