<西武0-13日本ハム>◇16日◇西武ドーム

 西武がどん底から抜け出せない。日本ハムに惨敗。頼みのベテラン西口文也投手(39)が6回4失点(自責3)でKOされた。攻守に精彩を欠いて本拠地西武ドームで開幕から6連敗…。球団ワーストの非常事態に陥った。

 会見場に現れた西武渡辺久信監督(46)の目は、怒りに満ちたように真っ赤だった。本拠地西武ドームでは開幕から史上初の6連敗。「ふがいないゲームをしてしまって。そこを選手がどう受け止めるか。毎日、応援してくれるファンがいるんだから。ファンあってのプロ。こういう形で期待を裏切って、申し訳なく思っている。以上!」。自ら会見を打ち切るのは、今季初めてだった。

 最下位と低迷するチーム状況を示すかのような、惨敗劇だった。先発西口が6回4失点(自責3)と粘ったが、7回から登板した岡本篤、星野がともに2安打1四球で、1死も取れずに降板。木村も打ち込まれ、6失点で試合を決められた。マイケル、ゴンザレスも失点を重ねるなど、救援陣が崩壊した。西口が「フォアボールも多く、申し訳ないです」と振り返ったが、計6投手で8四球。勝負以前の問題だった。

 負の連鎖は野手も同じだった。1回の中島の悪送球を皮切りに、原、石川、阿部と計4失策。守備からリズムを作ることもできず、日本ハム打線に大量13点を奪われた。打線は5回にベンチ前で円陣を組むなど、反撃の糸口を必死に探したが、散発6安打。三塁さえ踏めず、今季初先発の多田野に3年ぶりの白星を献上した。試合後、引き揚げる選手たちにファンからは「頑張れ」と激励の声があった。主将の栗山が「明日は明日でゲームが来る。しっかり準備することが大事」と前を向いたが、開幕早々に正念場を迎えた。【久保賢吾】

 ▼西武は西武ドームで今季0勝6敗。52年のフランチャイズ制後、西武が本拠地で開幕から6連敗したのは、前身の西鉄、太平洋、クラウン時代を含め79年の5連敗を上回る球団ワーストとなった。これで今季2勝8敗に。西武が開幕10試合で2勝止まりは98年(2勝8敗)以来14年ぶり。98年は11試合目から8勝2敗で一気に借金を返済し最終的にリーグ優勝したが、今季も巻き返すか。