<ロッテ3-6楽天>◇19日◇QVCマリン

 マー君が苦しみながらも今季初完投で2勝目を挙げた。楽天田中将大投手(23)がロッテ戦に先発。4回に2点、6回にも1点を失う内容ながら、根気よく投げて味方の援護を引きだし、逆転勝ちをもたらした。初の開幕投手を務めた3月30日のロッテ戦では6回5失点で負け投手。2度続けてやられるわけにはいかないと、中5日の登板で気迫を前面に出した。チームの連敗を3で止め、ロッテには今季5戦目で初勝利をもたらした。

 球場からバスへ引き揚げる途中、田中は声を張り上げた。ファンの大声援よりさらに大きな声で「野手の方のミス(失策)からだったので、そういうところを余計に抑えたかった。点をとられてしまって悔しいです!」。感情をあらわにし、4回の場面を振り返った。遊撃松井の失策から無死満塁とピンチを広げ、適時打2本を浴びた。勝った喜びより、先に先制点を与えたことに何よりも納得がいかなかった。

 それほど、この試合にかける思いは熱かった。初の開幕投手を務めた3月30日に屈辱を味わった。相手は同じロッテ。本拠地初開幕の大役を任されながら、6回5失点でKOされた。試合後のロッカー室でうつむく姿に、チームメートが「相当ショックだったと思いますよ。暗かったですね」と声をそろえるほど、悔しい思いをした。この日の登板前、「2回続けてやられて、相手に(今年は)いけると思われたらいけない。やられた分はやり返します」と話した。だから、ミスをカバーできずに先制点を与えた自分にいら立ちを隠さなかった。

 今季初の中5日での登板だった。ロッテ3連戦の初戦が雨天中止となったため、1戦目の塩見が翌日にスライド登板。3戦目に投げる予定だった田中も連動して21日のソフトバンク戦に回る可能性もあった。中5日か、中7日か。「本人の意思は聞くよ」と話していた佐藤投手コーチから「中5日でいいか」と打診されると、「そのつもりでした」と二つ返事で答えた。打倒ロッテに照準を合わせていた。

 9安打を浴びる苦しい投球で、決して本調子ではなかった。だが勝利を引き寄せる流れはつくった。打線が逆転してくれた直後の5回、再び勝ち越してくれた7回は、ともに3者凡退で切った。得点の直後に点を与えないことは、勝てる投手として不可欠な要素。エースは勝たなくてはいけない。それをしっかり受け止めて腕を振った。

 今季初完投でチームの連敗を3で止め、ロッテ戦の連敗も4で止めた。それでも「完投以外は何もいいところがなかった。点の取られ方だとか、全てにおいて、しっかり調整したい」。次回こそ、エースの真骨頂を見せる。【斎藤庸裕】