<ソフトバンク11-1楽天>◇21日◇鹿児島
唯一の光を放つ1発だった。楽天は今季初の2ケタ失点となる大敗を喫した。2失策と守りも乱れ、打線は敵の継投に1点だけ。完敗だったが、その1点を奪ったのが、10日から5番に座る牧田明久外野手(29)の2号ソロだ。星野監督も認める飛ばし屋のパワーで、今日22日は勝って連敗を阻止したい。
納得の一打だった。2回1死走者なし。カウント1ストライクから、牧田はソフトバンク摂津の外角真っすぐをとらえた。右翼席最前列へ。「強引に引っ張ろうなんて思わなかった。狙い通りです」。風速5メートルの風に「うまく乗せることができた」と振り返った。
開幕は3番で、今月10日からは5番に座る。クリーンアップの一角を担うが、実は開幕スタメンはプロ12年目で初めてだった。開幕前日には「緊張しないようにします。でも、するんだろうな。手に“人”って書いて飲もうかな」と話していたほどだったが、これでチームトップの2号ソロ。長打の少ない打線で、貴重な役目を担っている。
飛ばす力を野村元監督にも認められ、肩の強さは球界トップクラス。だが、肩や肘の故障に苦しんできた。昨季もケガで2軍スタート。殻を破りきれない素材を引き上げたのは、他ならぬ星野監督だ。今年2月の久米島キャンプ。朝食を終え、球場の横を歩いていた牧田に「おい。楽天の4番なんだから下を向いて歩くな!」と声をかけ、クリーンアップ起用が始まった。その時の声のトーンは冗談めかしていた。監督自ら、真意をこう明かす。
星野監督
最初は5割くらいは冗談だったんだよ。俺の言葉には本気と冗談が交じっているんだ。
「冗談」と言いつつ、牧田の反応を見ていた。最終的にはガルシアが4番に落ち着いたが、脇を固める和製大砲に育てたい意向がある。
この日の最終打席、8回1死二塁で、牧田は金沢の初球を引っ張り、左飛に倒れた。「ヒットになって欲しかった。甘い球が初球に来たので」と唇をかんだ。甘い球を確実にヒットに、長打にしたい。楽天打線の太い柱になるため、まだまだやるべきことは多い。【古川真弥】



