<ヤクルト4-1中日>◇24日◇神宮

 ヤクルトが4連勝で中日に並び首位に立った。ポイントゲッター川端慎吾内野手(24)が腰痛のため欠場する非常事態。動揺を見せることなく、1回に内野ゴロと敵失で2点を先制し、3回には4番ウラディミール・バレンティン外野手(27)の5号2ランで加点。代役森岡良介内野手(27)も無難にこなし、レギュラーが欠けても変わらないチーム力を見せつけた。

 戦力が欠けても、負けない。ヤクルトがまたもやピンチに勝利した。「5番遊撃」の川端が腰痛のため欠場するという危機だった。しかし、代役の森岡は1回には中前打を放ち、4回には三遊間深いところへ飛んだ和田の打球を見事に処理した。小川監督も「代わりに出る選手が、みんなよくやってくれている」と感心したように言ったが、代役が活躍するのには理由がある。

 小川監督

 今季は選手にどういう言葉をかけるか。どういうタイミングで話をするかというのを大事にしたいと思ってるんです。同じ言葉でも、それによって持つ力が違うと思うんで。

 この日、先発起用した森岡は、開幕1軍メンバーながら11試合目まで打席のなかった選手だった。だが、小川監督がことあるごとに「使ってあげられなくて申し訳ないな」と、守備固め要員を打席に送れないことを説明していた。森岡は、しっかりモチベーションを保ちこの日の活躍につなげた。「監督がよく話しかけてくれるので、試合にも入っていきやすい。打席に立てないのも気にならなかったし、今日もやってやるっていう気持ちだった」。監督のつくるチームの雰囲気が、控え選手のやる気を引き出している。

 勝利をたぐりよせる特大2ランを放ったバレンティンも、畠山の代役4番。抜群の安定感を誇るバーネットも林昌勇の代役守護神。そして、捕手の中村も相川の代役としてマスクをかぶり始めたばかり。中継ぎ陣も含めれば、当初思い描いていたチーム構成とはかなり異なるかもしれないが、それでも機能するのがヤクルトの強みだ。【竹内智信】