<日本ハム1-2ロッテ>◇24日◇東京ドーム

 日本ハムがロッテとの首位攻防第1ラウンドに敗れ、連勝は4でストップした。先発多田野数人投手(31)が7回5安打1失点でゲームメークをしたが、1-1の同点で迎えた8回から登板した宮西尚生投手(26)が勝ち越しを許した。宮西は今季8試合目で初の失点。昨季7戦負けなしだった東京ドームで盤石のはずの継投がまさかの失敗。ゲーム数が少ないロッテに勝率で下回り、首位から転落した。

 明暗がくっきり分かれた8回の攻防だった。鉄壁の救援が崩れた日本ハム。対照的に、成功したロッテ。「今日はちょっとダメだったね…俺がね」。栗山英樹監督(50)は試合後の第一声から、自分を責めた。

 得意のパターンのはずだった。1-1の投手戦は、終盤を迎えていた。8回だ。この回からマウンドに上がったのは2人目の宮西。1死から岡田に死球を与え、続く角中には追い込んだ後の4球目を右前へ運ばれた。ヒットエンドランを決められ、一、三塁。広がったピンチで迎えたのは、6回に同点打を打っている根元だった。角中同様、追い込んでからの4球目、外よりのスライダーを中前へ運ばれ、勝ち越しを許した。今季8試合目の登板で、初めて失った1点が決勝点となってしまった左腕は「低めを意識して、腕を振って投げられたんだけど…」と、悔しさをにじませた。

 年間144試合も戦えば、作戦通りにいかない試合は、必ずある。この日が、まさにそんな試合だった。先発の多田野は7回1失点66球での降板となったが、強力なブルペン陣を擁する日本ハムにとっては、これが必勝パターンとも言える。「同点にならなければ、もっと早くに(多田野を)代えたかった。(打線が)もっと早く追加点を取れなかったのも反省材料。でも、投手の交代については、悔いも後悔もない」(栗山監督)。守りだけでなく、攻撃でも終盤の好機をつぶし、後手に回ってしまった。「宮西にだって、こういう試合はある。負け試合になってしまったのは、俺の責任」と、いつものように選手をかばった栗山監督。首位攻防戦の初戦を落とし、今季初の5連勝はならなかった。【中島宙恵】