<阪神1-0広島>◇26日◇甲子園

 44歳の体を張った“激闘”がサヨナラ勝ちのエキスになった。5回2死。阪神金本知憲外野手は二塁走者で、小宮山の中前打で三塁を蹴ってホームに突入。中堅丸からの好返球が広陵の後輩・白浜のミットに収まる。ホームをガードした捕手に金本は構わず体ごとぶつかって行った。判定はタッチアウト。先制点は奪えなかったが、ナインを熱くするシーンだった。

 小宮山のヒットの前、一塁走者の金本は打者柴田との間でエンドランを再三、仕掛けた。6回の守備では丸の左翼線の邪飛にフェンスにぶつかりながら果敢に捕球しにいくなど、アグレッシブに動いた。和田監督は「打率もじわりじわり上がって来ているし、暖かくなってからが勝負の選手」と期待感をさらに膨らませた。

 広島バリントンから、チーム唯一の2安打。今季4度目のマルチ安打を記録し、歴代単独10位浮上となる通算662度となった。走攻守で躍動したベテランの執念がナインに乗り移り、延長11回のサヨナラ劇に結実した。【高垣誠】