<楽天2-1日本ハム>◇30日◇Kスタ宮城
打線を組み替えた楽天が、終盤に逆転勝ちした。日本ハム6回戦で1点を追う7回、4番から6番に下がったルイス・ガルシア内野手(33)が2号同点ソロ。さらに無死一塁で嶋基宏捕手(27)が犠打もあると見せ掛け、強攻策で中前打。好機を広げ、勝ち越しの敵失につなげた。塩見貴洋投手(23)が7回1失点と好投。負ければ5位後退だったが、連敗を2で止めた。
嶋は真ん中にスッと入ってきたボールを見逃さなかった。7回、ガルシアのソロで同点に追いつき、なお無死一塁。吉川の初球144キロを中前に打ち返した。直前、演技をかましていた。打席に立つと、犠打の構えを見せた。バッテリーのサイン交換が終わると通常の構えに戻したが、揺さぶりをかけた。
試合後に意図を明かした。「犠打と思わせたかったのか」と聞かれ、「(犠打警戒で内野が前に出て)少しでもヒットゾーンが広がればと思って。自分の判断です」と答えた。日本ハム捕手の鶴岡は「打ってくるのは頭にあった」と、だまされたことは否定したが、投手の吉川は「すいません」のひと言。犠打をしてくださいと言わんばかりの、真ん中直球を投げてしまった。三塁コーチの本西外野守備走塁コーチを「役者だよ」と、うならせるプレーで一、二塁と好機を広げた。内村が送って二、三塁。続く聖沢の三ゴロを小谷野が捕り損なった。三塁走者がかえり、決勝点を奪った。
ガルシアの同点弾は、ベンチの決断が生んだ。好機で打てない日が続き、得点圏打率は2割3分5厘に低迷。夫人の出産でメキシコに一時帰国した時期をのぞき、この日、初めて4番を外れた。「楽なところで打たせたい」(大久保打撃コーチ)という狙いどおり、走者のいない場面で飛び出した1発だった。ひと振りで試合の流れを変えた。
負けていれば、西武と並び5位タイ。同率最下位に落ちるところだった。先発塩見が7回1失点に抑え、打線は泥くさく逆転。1回には、田中のライナーを内村が横っ跳びで捕る好守もあった。星野監督は「毎回、勝利は接戦で。いつまでたっても慣れないね」と冗談交じりにため息をついたが、勝利は勝利。チーム全員で連敗を止めた。【古川真弥】



