竜巻注意情報が発令されるほどの荒天により、楽しみにしていた甲子園の登板まで吹き飛んでしまった。10日に予定されたロッテ-日本ハム9回戦(QVC)は天候不良のため中止となり、日本ハム斎藤佑樹投手(23)は12日西武戦(函館)でスライド登板することが決定。ローテーション再編により、当初予定されていた斎藤の17日阪神戦(甲子園)登板も、お預けとなってしまった。

 中止を最も嘆いたのは、栗山監督だった。「投手のことがあるから、試合をやりたかった。ユウキが甲子園で投げられなくなるでしょ?

 それじゃあ、俺らしいローテじゃなくなるからね」。先発ローテに狂いが生じ、練習前から悩ましげな表情だった。

 斎藤はこの日のロッテ戦で交流戦前最後の登板を終え、17日阪神戦、25日中日戦(札幌ドーム)、31日ヤクルト戦(神宮)とマウンドに上がる予定だった。しかし、今回の中止によって計画は白紙に。「ユウキを甲子園で投げさせて、神宮でも投げさせてやりたかったけど…。みんなも見たかったと思うけど、それ以上に俺自身が投げさせてやりたかった」。投手陣全体を考えて苦渋の決断を下したが、何とか神宮登板の可能性は残し「2つとも外すのは俺らしくないでしょ」と話した。

 練習前に吉井投手コーチから予定変更を告げられた斎藤は「楽しみでしたけど、今年で終わりというわけではない。来年もチャンスがあるので」と気持ちをリセット。プロ初のスライド登板へ向け、集中力を高めていた。【中島宙恵】