<ウエスタン・リーグ:オリックス2-4阪神>◇22日◇神戸第2

 阪神のドラフト2位ルーキー歳内宏明投手(18=聖光学院)が公式戦初勝利を挙げた。ウエスタン・リーグ、オリックス戦で先発すると7回を2失点に抑え、プロ入り初のウイニングボールを手にした。

 落ち着いている。2軍とはいえ、うれしいはずのプロ初勝利。チームメートへの笑顔は見せたが、すぐクールな表情に変わった。

 「初勝利といっても特別どうこうという感じはあまりないです。変化球でカウントを取れたのがよかった。(過去最長7イニング投球は)先発なら当たり前ですから。次は9回投げたい」

 2回に駿太を空振り三振に切った最速144キロのストレートにスローカーブ、スプリットを交え、ウ・リーグ首位を走るオリックス打線を料理。柴田に1発を浴びるなど2失点したが93球、堂々の内容だった。

 新人離れした度胸がマイナスに働いたのは前回登板だ。社会人ホンダ鈴鹿相手の育成試合(10日・鳴尾浜)に先発したが4回で3安打を打たれ2失点。「全部悪かった」と反省した。理由は「準備不足」。

 好投した4月29日のソフトバンク戦(甲子園)で中指のツメを割った。「投げるのに影響はなかったけど無理したらよくないですから」。10日の試合までわずか30球の投球練習しかしなかったのが裏目に出た。

 今回はしっかり投げ込んでの登板。中西2軍投手コーチも「キャッチボールから丁寧にやった。ブルペンではバラつきもあったけどきょうは良かった。課題は落ちる球をストライクゾーンに投げないこと。そこが高校生と違うところだな」と話した。

 高卒新人とは思えないどっしりした感のある歳内。「今年の1軍はないとは言い切れないが他にもいるから」。中西コーチの言うことはもっともだが、早く1軍で見たい気持ちにさせる男である。