ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が12日、腰椎椎間板ヘルニアの手術を回避することを明かした。5月25日に出場選手登録を抹消されたが、はり治療などで回復。この日、福岡市内の西戸崎合宿所でリハビリを開始した。7月中旬にも1軍復帰する見通しで、あと1本に迫る2000安打を球宴前に達成できる可能性が出てきた。

 小久保は力強い足取りで西戸崎の練習場へ入った。午前7時50分、大きなバッグを左手に歩く姿は、先月25日出場選手登録を抹消された時、福岡ヤフードームで前かがみで歩を進めた当時とは別人だった。手術に踏み切るかが注目されていたが「ゼロではないけれど、かなりの痛みがなくなった。予想よりも1週間早い。手術する必要はない」と、回避を明言した。

 リハビリ初日は約1時間30分動いた。バランスボールの後、自転車型器具やウオーキングマシンでの有酸素運動、下半身の筋肉トレーニングを行った。斉藤リハビリ担当コーチらと笑顔で言葉を交わすなど明るい表情でメニューをこなした。最後は22球のキャッチボール。力強いスローイングで「自分が一番驚いた」と話した。

 離脱してからチームは11戦勝ちなしのトンネルに入り込んだ。「早く勝ってくれ」と心を痛めていたという。それでも焦りは禁物と自らに言い聞かせ、回復に専念してきた。通算2000安打へあと1本での離脱に、ファンらから多くの励ましのメールや手紙をもらった。「元気にグラウンドに立って、復帰戦で2000本を打つのが恩返し」と決意を新たにした。

 オールスター明けを予想していた復帰時期も「今の感覚ではそこまでいかない」と7月中旬に早まりそうだ。来週、患部を撮影し経過を見る。痛みが出なければ今週中に打撃練習も再開する。前半戦での偉業達成へ光が差してきた。<小久保の腰痛経過>

 ◆5月23日

 2000安打に王手をかけていたが、広島戦の試合前に腰痛を発症。鎮痛剤を使いスタメン出場したが4打席無安打。

 ◆5月25日

 福岡市内の病院で「腰椎椎間板ヘルニア」と診断され、出場選手登録を抹消。

 ◆5月31日

 福岡市内の病院で痛みを抑えるためのブロック注射を打つ。

 ◆6月2日

 首脳陣と話し合い長期離脱が決定。痛みが引かず、人生9度目の手術について「選択肢としてはある」。