<西武6-5広島>◇16日◇西武ドーム

 新たな歴史がここから始まる。広島岩本貴裕外野手(26)と堂林翔太内野手(20)が西武戦で初のアベックアーチを演じた。7回1死二塁から反撃ののろしをあげる2ランを放った岩本は初の「4番弾」。9回2死から1点差に迫るソロを放った堂林は、初の逆方向への1発となった。ともに意味あるアーチをかけた左右の大砲候補が、明るい未来を開こうとしている。

 名コンビ誕生のときだった。広島の将来を担う岩本と堂林。まずは4番が見せた。

 岩本

 弾道が低かったから、どうかなと思ったけど、入って良かった。

 6点を追う7回1死二塁。チームとしても6回まで、1安打に抑え込まれていた牧田の外角スライダーだった。タイミングをわずかに外されながらも引っ張ると、打球は大歓声に吸い込まれるように、真っ赤に染まった右翼スタンドへ消えていった。5日・日本ハム戦(札幌ドーム)以来の2号2ランは、自身初の4番での1発になった。

 御利益があったのかもしれない。前夜にアイス菓子「ホームランバー」のチョコチップいちご味を堪能していた。体重制限をする中で至福の瞬間を味わい、文字どおりの1発。「今日も食べようかな」と満面の笑みを浮かべた。

 最後に見せ場をつくったのは堂林だ。9回2死から、長田の外角高め直球を力負けせず、右翼スタンドまで運んだ。初めての逆方向への1発で、大敗ムードを払拭(ふっしょく)し1点差まで詰めよった。

 堂林

 人生にないような感覚でした。ライトに打った瞬間というのは初めてです。

 試合終了後も、興奮冷めやらぬ様子だった。右方向への長打が出るのは好調の証し。未知の感覚との遭遇は、今後につながることは間違いない。

 この敗戦でチームは3年連続の交流戦負け越しが決まったが、悲壮感はない。指揮官も上向きな打線に手応えを感じている。

 野村監督

 打線が粘りを出してくれて、明日につながると思う。(交流戦負け越しは)残念だけど、数字上のこと。また明日から切り替えていきます。打線にも元気が出てきているのでね。

 好調の攻撃陣は、試合ごとに自信を深めている。そして、若鯉たちの日々の成長が明るい未来を予感させる。【鎌田真一郎】