<ヤクルト12-4中日>◇4日◇神宮
中日吉見一起投手(27)が今季最短の4回5失点でKOされ、守道竜が3度目の4連敗を喫した。ローテを巡って高木守道監督(70)と権藤博投手コーチ(73)が、舌戦を展開する発端となったエース。気合が空回りしたのか、好調ヤクルト打線の餌食となった。快投で2トップのバトルを丸く収めたいところだったが無念のKO。貯金11だが重苦しさが募った。
吉見でも中日の悪い流れを止められなかった。今季最短の4回、最多の5失点KO。救援陣も打たれ、今季最悪の18被安打、同タイの12失点で撃沈した。怒号も飛んだ神宮三塁側の敗者の列。背番号19は責任を背負い、くちびるをかんだ。
吉見
集中力を切らしてしまった。自分の悪い面がすべて出てしまいました。
先週末の巨人戦では吉見が投げず、3連敗で首位陥落。高木監督は「そら負けるわ。エースが投げんようじゃ」と権藤投手コーチに怒りの矛先を向け、70歳代2トップのバトルが始まった。舌戦は練習日の2日、雨で中止となった3日も継続。エースはこの間、ほとんど口を開かなかった。不穏なムードは自身の快投で吹き飛ばす。それで丸く収まるはずだった。
だが勝ちたい思いは、いつも以上の力みも生んだのか。2回先頭畠山への微妙な四球判定に不満げな表情を見せた直後、バレンティンに先制2ランを浴びた。
吉見
打者と勝負していない感じだった。一番やってはいけないことをした。
常に冷静な吉見には、珍しいイラ立ちからリズムを崩した。修正は効かず、4回で被安打9のフリー打撃状態。昨季の2冠エースにとって5回以下の降板は2年ぶりの“事件”だった。
もちろん残念だったのは、バトル当事者の2トップだ。吉見の背信を問われた高木監督は「そうじゃない!」と矛先を攻撃陣に向けた。「初回に1点でも取ってればこんな展開になっとらん」。再度吉見について聞かれると「そういうことは投手コーチに聞いて」と、ぶっきらぼうに言った。権藤投手コーチは「(吉見が)10点取られるかと思ったよ」と苦笑い。「今日は向こうに勢いがあったし、攻撃が見事だった。負けだよ」。潔く脱帽し、「次はやり返す」と誓った。
今季3度目の4連敗。「東京でも勝ってくれよ、守道さん!」。ファンの叫びもむなしく、神宮と東京ドームは今季0勝の8敗2分けで、関東では14連敗。エース吉見ですべての負を断ち切りたかった神宮の夜。残ったのは重苦しい空気だけだった。【松井清員】
◆吉見を巡る高木、権藤バトル
巨人に3連敗して首位を陥落した1日、高木監督は「そら負けるわ。エースが投げんようじゃ」と、3連戦で吉見を投げさせなかった権藤投手コーチの先発ローテに怒りの矛先を向けた。翌2日に両首脳が話し合い、いったんローテ不変で落ち着いたが、3日のヤクルト戦中止で必然的にローテ再編。この日、吉見が中7日で先発した。



