<巨人6-3阪神>6日◇東京ドーム

 か、金本に代打!

 序盤の6失点を必死に追った伝統の一戦。4点差として満塁チャンス。さあ頼むぞアニキ…あれ、ネクストに桧山!?

 実は腰に強い張りを訴えて代打関本と交代した。直訴して代打に打席を譲るのは阪神移籍後初。鉄人はベンチ裏での応急処置で今日の試合出場に意欲をみせたが、早く連敗を脱したいトラにまた不安材料が発生した。

 そこに金本知憲外野手(44)はいなかった。反撃ムードは最高潮。7回。3番鳥谷の押し出し四球で4点差に迫った。左翼席の虎党が一気に迫力を増す。なおも1死満塁で4番新井。その時、ネクストバッターズサークルに5番金本の姿はなかった。黙々と素振りを繰り返すのは、桧山だった。

 新井が見逃し三振に倒れてもまだ2死満塁…。最大の勝負どころで、巨人ベンチはここぞとばかりに沢村から左腕山口へスイッチ。数分のタイムラグを経て、東京ドームにコールされたのは代打関本だった。なぜ金本が交代?

 どよめきと歓声と入り交じる。一種異様な雰囲気の中、関本は空振り三振に倒れた。

 金本

 行こうと思えば行けたけど、ちょっとヤバイというのもあったから。

 関係者の話を総合すれば、4回の第2打席に腰の張りを覚えた模様だ。無死一、二塁で沢村に10球を投げさせ、フルカウントから外角高めフォークを空振り。5球ファウルで粘った際、患部に張りを感じたと見られる。その後も左翼守備に就き、6回には中前打も放っていたが、打席で腰をたたくしぐさもみせた。鉄人金本でさえも軽視できない張りのため、首脳陣は交代を決断した。

 和田監督

 かなり強い腰の張り。カネが言うぐらいだから相当のことだろう。

 言うまでもなく、数々のケガを乗り越えてきた。現在も右肩棘上(きょくじょう)筋断裂という絶望的な負傷と長い戦いを続けながら、完全復活まであと1歩という状態まではい上がってきた。並大抵のケガなら必ず打ち勝ってきた。そんな鉄人が痛みを申告せざるを得ない状態となれば、決して予断を許さない。指揮官も今後について「う~ん、ちょっと明日にならないと」と話すにとどめた。

 金本

 今、すごく(状態が)いい。(明日も)オレは行くつもりだけど。状態次第だけどな。すべてがプラスに行くように治療するだけ。

 敗戦後の東京ドーム通路で話した。右手でキャリーバッグを引いて自ら歩き、階段も上った。前向きな言葉を並べたように、今日7日もチームを離れず東京ドームに向かい、最悪の登録抹消も免れる見通しだ。

 最大の見せ場で、打席に立てなかった無念。これで宿敵の首位巨人に11ゲーム差をつけられ、4連敗で借金7。危機的な状況を打破するためにも、幾多の修羅場を乗り越えてきた金本の底力を信じるしかない。【佐井陽介】