<日本ハム0-5ソフトバンク>◇7日◇札幌ドーム
高卒ルーキーの前に、日本ハム打線が沈黙した。7日のソフトバンク戦で、プロ初登板の武田翔太投手(19)に6回までわずか1安打に抑えられ、初勝利を許した。宮崎日大時代には「九州のダルビッシュ」と称された本格派右腕に、見せ場すらつくれずに完敗。栗山英樹監督(51)は「こういうゲームをしちゃいけない」と厳しい表情で振り返った。痛い1敗で3位楽天とのゲーム差はとうとう0・5となった。
試合後の会見、栗山監督の口は重かった。「申し訳ない。こういうゲームをしちゃいけない。こういう試合をつくりたくないと思ってやってきたのに…」。3万3000人を集めた本拠地試合で、二塁すら踏めない完敗。指揮官が何度も冗談で「いてくれたら…」と話してきた、「ダルビッシュ」にやられた。
150キロを超える直球と、緩急差20キロのチェンジアップ。そしてスライダー、カーブ。ソフトバンクの高卒ルーキー武田に、6回打者20人で、ヒットは鶴岡の中前打わずかに1本。打率リーグ2位の田中は「真っすぐも変化球もよかった。いい投手」と素直に認めた。
前回登板だった、6月26日ウエスタン・リーグ中日戦の映像を用意し、ミーティングでは対策も講じてきた。だが、2軍戦では高めに抜けることが多かった直球が、この日は低めに集まっていた。「直球は高めに外れる」。スコアラーからの報告以上に、この日の相手は難敵だった。5回の攻撃前には円陣を組み「ベルト付近のボールをたたけ」と、コースを絞って打ちにいく指示に修正もされたが、攻略にはつながらなかった。稲葉は「(初登板で)普通はもっと力みもある。今の若い子は緊張しないのかな」。大舞台で最大限に力を発揮した19歳右腕に、脱帽した。
2回には陽岱鋼が、2度バントを失敗した後に強攻して併殺打。6回にも1死一塁でエンドランを仕掛け、右飛で飛び出した一塁走者田中が刺されるなど、チグハグな攻撃で自らの首を絞めた。指揮官は「(攻撃を)どうつくっていけばいいかわからないまま、どんどん進んでしまった」。本塁は、最後まで遠かった。
栗山監督の信念の1つ。「シーズンは144試合あるけど、今日見に来たお客さんは、この試合しか見ることができないかもしれない」。球場へ足を運んでくれたファンのために、最後まで全力でエキサイティングな野球をする。その理想からは大きく離れた屈辱の1敗になった。前半戦のヤマに設定していた交流戦後の成績も、3勝9敗2分けと急ブレーキがかかっている。「明日全力でやって、喜んでもらえるようにしたい」。やられたものは、やり返す。それがこの黒星を無駄にしない、唯一の方法になる。【本間翼】




