<ロッテ3-4オリックス>◇8日◇QVCマリン

 そら、ビックリ弾よ。オリックス岡田彰布監督(54)が、大引啓次内野手(28)の決勝ソロを絶賛した。腰の張りもあってベンチに置いていたが、5戦ぶりに途中出場で起用。その副キャプテンの3号ソロで勝利した。初の2カード連続勝ち越しに手応えをつかみ、球宴までの残り9試合で総力戦を宣言した。自力Vの可能性が消滅しても、関係ないよ。

 指揮官もびっくりの結末だ。首位ロッテとの激しい攻防は3-3で、もつれたまま9回突入。すでに李大浩もT-岡田も交代させていた。マウンド上は防御率0・00の内。その守護神から、大引が左中間に豪快な決勝の3号ソロを放った。

 岡田監督

 途中(出場)からな。よくあそこでいったもんや。あのホームランはほんまに大きいよな。

 腰の張りがある大引は、4日の日本ハム戦から欠場させていた。しかしこの日の練習後、小川打撃コーチから監督室で報告を受けた。「バットが振れるようになったと言うてきたからな。(スタメンの)安達もタイミングがあってなかったし」。7回に安達の代打として、5戦ぶりの起用を決断。その采配が的中した。

 打った本人もびっくりだ。大引は一塁を回ったところで右腕を突き上げてガッツポーズ。「出たくてうずうずしていたので。まさか入るとは思わなかった」。痛み止めを服用しての出場で、最高の仕事をした。

 初の2カード連続勝ち越し。しかも2位日本ハム、首位ロッテと価値ある上位連破となった。自力Vの可能性が消えた前日7日には「知らんわ、そんなん。1つずつよ」と平然としていた岡田監督の声も弾む。

 「ビジターで勝ち越してな。打つ方は点がとれるし、投手もちょっとはそういう感覚(援護がある)で、投げられると思うよ。あとは9つ(9試合)やからな。総力戦や」。球宴前までに借金10を1つでも多く減らすために、指揮官が反撃の大号令をかけた。【益田一弘】