<楽天6-3オリックス>◇10日◇Kスタ宮城
楽天の「命綱」が劇的勝利を呼び込んだ。3-3の延長10回、枡田慎太郎内野手(25)がサヨナラ3ランを放ったが、5回1死から救援4投手が無失点でつないだのが大きかった。4番手の小山伸一郎投手(34)は通算400試合登板に到達。8回を0点に抑えた。前半戦最後の9連戦。頼れるリーダーに引っ張られた救援陣の奮闘で、初戦をものにした。
いつもの半袖スタイルで、小山伸はマウンドに向かった。3-3の8回だった。両チームとも継投に入った終盤。1点もやれなかった。「自分が原因で負けるわけにはいかない」と気合十分。1死からオリックス北川に左前打を打たれ、2死三塁を招く。「ヒヤヒヤした」が、最後は川端を遊ゴロに打ち取った。
今季32試合目の登板で、通算400試合に達した。「ほとんどが楽天に来てからです」と胸を張った。中日の8年間で71試合。無償トレードで楽天に移った05年から、大車輪の活躍が始まった。特に、08年から4年連続50試合登板を継続中。楽天一のタフネス右腕で、ブルペン担当の森山投手コーチも「痛いの、かゆいの言わない」と信頼は絶大だ。だが、若いころは違った。今春キャンプ終盤、実は「肩が痛い」と打ち明けた。それでも、平然と続けた。
小山伸
この痛さ、若い投手なら離脱するでしょう。僕も若いころは、肩が痛くなると怖かった。でも、今はこんなもんだと分かっています。痛くても、投げていくうちに肩の骨が“良い位置”にはまって、痛みが消えるんです。
経験を重ね達した境地だった。痛みをこらえた先に「バラ色のオフが待ってます」と笑う。昨オフ、年俸1億円に到達。男のロマンを実現した小山伸だから言える、含蓄のある言葉だ。
前半戦最後の9連戦初戦。ブルペンで出番を待つ仲間に「なんとか上のチームに食い下がっていこう」と声をかけた。救援陣はもちろん、投手陣全体の精神的支柱となっている。節目の登板で白星に貢献し「強い体に生んでくれた両親、出会ったトレーナーさん、コーチ、監督の方々に感謝です」と頭を下げた。
ただ、こうも言った。「まだまだ。僕は今、野球人生の岐路に立っている。日々、進歩です」。16年目の34歳は、もっと大きなバラを咲かす気でいる。【古川真弥】



