<オールスターゲーム:全パ1-4全セ>◇第1戦◇20日◇京セラドーム大阪

 守道竜のドラ3ルーキーがまぶしく輝いた。田島慎二投手(23)が5回に登板。オール真っすぐで井口、中田、鶴岡を3人斬りだ。「パの打者は真っすぐに強いと言われるので、どこまで通用するか試したかった。感触もよかったし、100点と言ってもいいです」。最速148キロ。ブランコの代役榎田の辞退で巡ってきた代役の代役が、しっかりチャンスをモノにした。

 登板前、捕手の阿部に希望した。「真っすぐを多めでお願いします」。新人がスター選手に簡単に言える言葉ではない。だが意気を買った阿部からは直球のサインしか出なかった。「うれしかったです」。あとはミットを目がけて腕を振るだけだった。先頭井口を三飛、同い年の中田も詰まらせて一邪飛。最後は鶴岡を中飛に打ち取り、阿部とグータッチを交わした。

 真っすぐにこだわったのは、あこがれの人に近づきたいからだった。高校時代に見た06年の球宴。藤川が投球前に真っすぐを予告し、カブレラや小笠原を三振に斬った。「あの場面がすごく印象に残っているんです。僕も一番の武器がストレートなので」。プロを真っすぐで生き抜く思いを込めた、闘魂の10球だった。

 その藤川と初めて同じベンチに入った。「どういう感覚であの真っすぐを投げてるのか聞いてみたい」。そう話していた弟子入り志願は「すごい緊張で余裕がなく」実現しなかった。「でも3戦目までには聞きたいです」と目を輝かせた。

 全セの指揮を執った高木監督も「一流でも差し込まれてたもんね。あれだけの球を放れれば」とホレ直した。「もう1回投げたい」。望む勇姿は盛岡でも披露する。【松井清員】