大野でストップ!

 今季プロ初勝利を挙げた中日大野雄大投手(23)が連敗ストッパーに指名された。チームは4月に横浜で勝って以降、関東地区では3分けをはさんで15連敗中と悲惨な状態。これ以上、関東の竜党に惨めな姿は見せられない。今日31日巨人戦(東京ドーム)に先発する2年目左腕が、首位巨人に向かっていく。

 関東地区でなぜか勝てない。内弁慶と揶揄(やゆ)される守道竜だが、もう我慢はできない。敵地に乗り込み今日31日から始まる巨人、ヤクルトとの「関東シリーズ」。その初戦に逆転Vの秘密兵器を登板させる。30日、ナゴヤドームでキャッチボールなど軽めの調整を終えた大野は、待ってましたとばかりに目を輝かせた。

 「(巨人戦の)どこかでいくと思って準備していた。この前、1勝したんですごく自信になった。去年の自分とはストレートの威力が違うと思う。どんどん押していきたい。自信を持って堂々とやりたい」

 忘れられない記憶がある。今月11日阪神戦(甲子園)で2年目にしてプロ初勝利を挙げたが、それまでの道のりは長かった。大学時代に左肩を痛めた影響で1年目のキャンプはリハビリの日々。ようやく10月14日にプロ初登板を果たしたが、4回7失点KOと打ちのめされた。プロの厳しさを教えられた相手が巨人。場所は東京ドームだった。

 「去年はあれだけやられてるんで、今回は存在感のある投球をしたい。緊張はすると思うけど、1度目ではないのでそこまではない」

 燃える要素がまだある。対戦する巨人先発が同学年の沢村というのも何かの巡り合わせだ。実は昨季、東京ドームで登板したときの相手投手も沢村だった。同じ大卒ルーキーだった右腕に力の差を見せつけられた。昨年の借りを返すための最高の舞台が整った。関東地区での連敗を止める。何よりも5・5差で追いかける首位巨人を食い止める。そのために大野の力が必要だ。【桝井聡】