今季限りでの引退を表明しているソフトバンク小久保裕紀内野手(40)に、本拠地での胴上げチャンスが巡ってきた。29日、北九州でのオリックス戦が雨天中止となり、代替試合は10月6日以降が有力。小久保もリーグ最終戦を本拠地で迎える可能性が高まった。

 小久保は恨めしそうに空を見上げた。局地的なゲリラ豪雨により、午後4時30分に中止が決定。20年前にロッテ園川からプロ1号を放った思い出の北九州でのラスト試合が流れ「もう現役でここに立つことはないからね」と残念がった。

 この雨は、悪いことばかりではない。現時点で10月5日の敵地オリックス戦に予定されるリーグ最終戦を、本拠地で迎えられる可能性が高まったからだ。

 「自分の中では9月30日がホーム最終戦と思ってた。CSは別と考えてるから。あとは(代替試合が)どこに入るか。おそらく10月6日以降かな」。気持ちを切り替え、カレンダーを頭の中でめくった。

 今季でユニホームを脱ぐと表明してから、球団が検討する引退試合をやんわり“辞退”する胸の内を明かした。ただフィナーレがホームなら地元ファンの盛り上がりは間違いない。上位は大混戦だけに、ペナントの行方を左右する大一番になる可能性も。そこで小久保が打ってリーグ3連覇を決めれば…。伝説の「10・6」もしくは「10・7」として語り継がれるはずだ。

 「その時に(優勝争いを)どういう感じで迎えるか。熱い状況になってればいいけどね」。引退発表後は8試合出場で、22打数9安打の打率4割9厘と調子を上げてきた。残り31試合。チームとともに主将もラストスパートに突入した。最後に勝って胴上げされれば、最高だ。【大池和幸】