コウスケ、一緒にやろう!

 中日山崎武司内野手(43)が20日、来季の現役続行に意欲を見せた。中日が獲得に乗り出すことになった福留孝介外野手(35)にラブコールを送り、ともに戦う姿勢をあらわにした。来季、プロ27年目となるベテランの闘志は衰え知らず。旧知の間柄である弟分とのタッグ再結成という夢に、やる気をみなぎらせた。

 黙ってはいられなかった。中日の福留獲得への動きについて問われた山崎は、秘めた思いを口にした。来季は中日でチームメート?

 そんな問いかけに「昔から一緒にやっているし、できれば帰ってきてほしい」と古巣復帰を熱望。共闘を呼びかけた。

 「こればっかりは彼の人生だから分からないけど」と気を使いつつも、同じユニホームを着て戦いたい願いは本音だろう。それは来季も自らを戦いの場に置くという意思表示のようにもとれた。

 現役続行については意欲だけでなく、準備もしている。4日に左薬指の骨折で出場選手登録を抹消されたが、2軍で黙々とトレーニングを続ける。

 16日には打撃練習を再開した。この日もナゴヤ球場でティー打撃でバットを振り込み患部の状態を確かめた。今日21日からのウエスタン・リーグ広島2連戦で実戦復帰する。今後の活躍が、現役続行の判断材料になることは理解している。

 「とりあえず明日はやってみようと思う。自分のできることをアピールしたい。CS、日本シリーズを目標にやってきたし、気持ち的にも切れることはない」

 歯を食いしばっても打席に立つ。43歳はファイティングポーズをとり続けている。

 10年ぶりに古巣に復帰した今シーズン。昨年12月の入団会見では「こんなおとっつあんがもがき苦しむのもいい。山本さん(3歳年上の山本昌)より先にやめたくないね」と豪快に笑い飛ばした。

 シーズン終盤になっても気持ちが切れるどころか、闘志は燃え上がっている。まだ若いもんには負けられない。もちろん弟分の福留にも…の思いが、45歳になる来シーズンへと突き動かす。【桝井聡】

 ◆山崎と福留の関係

 福留がプロ入り1年目の99年から4年間、中日でともにプレーした。現在もオフのハワイ合同自主トレを続けている。昨年オフには山崎が呼びかけ福留らとともに名古屋市内で震災復興イベントも実施。シーズン中も頻繁に連絡を取り合い、この日も山崎は「昨日電話がかかってきたけど取れなかった。名古屋でも食事すると思う」と話した。