<楽天3-1ソフトバンク>◇24日◇Kスタ宮城

 逆転Vへ、希望の灯は吹き消された。ソフトバンクが守護神で今季5度目のサヨナラ負けだ。延長10回1死一塁。岡島秀樹投手(36)が楽天松井との元メジャー対決に屈した。「うまいこと打たれました。力不足です」。ちょうど試合開始から3時間半。規定で次のイニングに入らないことが決まった直後、1ボール2ストライクから内角低めの直球を、左翼スタンド中段まで運ばれた。

 開幕前の身体検査で肩の異常を指摘され、ヤンキースとの契約が解除。本意ではない6年ぶりの日本復帰に独自の調整で、他の仲間と一線を画した。シビアな米球界で最優先される結果を黙々と重ねてきた。これが森福に次ぐ55試合目。ファルケンボーグの離脱により代役の抑えを務め、24ホールド8セーブと粉骨してきた。孤高の“逆輸入助っ人”は打った松井に脱帽したが、指揮官は珍しく怒りの矛先を向けた。

 秋山監督

 痛い1敗だよ。詰めが甘いんだよ。なんでああいう終わり方をしなきゃいけないんだ。詰めが甘いんだよ。

 無理もない。これで日本ハムとは残り9試合で4ゲーム差。リーグ3連覇に絶望的な距離となった。お立ち台の松井は、ファンと一緒に定番パフォーマンス「Burn!(バーン)」の合唱。バスに伸びる敗者の行進に耳障りなBGMが降り注いだ。その楽天が背後にひたひたと3ゲーム差に迫ってきた。今日25日からは最下位が確定し、11連敗中のオリックスと2連戦。もうCS圏死守が現実的な目標になってきた。【押谷謙爾】